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異世界黒猫サーカス団 異世界転移したらミミックだった  作者: PYON
第二章 黒猫サーカス団

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06

 それは、まぎれもない星姫さん歌声だった。

 ぼくがうまれて初めて、惚れ込んだ声だった。

 べつにドルオタってわけじゃないけど、一度聞いただけで衝撃が走ってしまった。

 だから、ぼくが星姫さんを好きなのは、普通のオタクの人と違うんだ。


 その歌声がぼくにしみこんでくる。

 そう、元の世界でもそうだったけど、星姫さんの歌はこころに直接入ってくるのだ。

 特にヘッドホンで聞くと、ぞくっとするほどすごいんだ。

 この世界ではそれ以上だった。

 星姫さんの歌がぼくの身体にまでしみこんでいく感じ。

 細胞のひとつひとつを修復していくって感じだ。


 ぼくは星姫さんの癒しの歌に身をまかせる。

 それは心地よく洗われていくよう。

 たぶん、これはぼくが星姫さんのファンだからとかそういうのではない。

 この歌は間違いなく何か力を持っているのだ。


 まるで何かに包まれているようだった。

 身体のだるさや痛みがうそのように消えていく。


 星姫さんの歌が終わる。


 ぼくは夢から覚めたような感じで、立ち上がろうとする。

 なんかさっきまでは立ち上がれなかったのに。

 普通に立ち上がれる。


「えっ?嘘」

 ぼくは腕や足を動かしてみる。

 すごく軽い。

 それは、今日の朝、練習を始める前よりもだ。


「効いたみたいですね。

 よかった」

 星姫さんは微笑む。

「あんまり効かない人もいるんですよ」


 たぶんぼくの場合、癒しの効果がなくても元気になれたと思う。

 その上、癒しの効果があるなんて。

 

「ありがとうございます。

 もう大丈夫みたいです」

 

「いえ、どういたしまして」

 それにしてもかわいい。

 天使以外のなんでもない。

 ぼくは2人だけの時間を楽しむ。


「あれっ?

 星姫が治してくれたの?

 じゃあ、もう大丈夫だね。

 練習の続きを始めようか」

 その大切な時間は舞衣さんに破られる。

 そして、ぼくは風太さんのところに連れていかれるのだった。

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