04
「よく頑張ったな」
「お疲れ様」
舞衣さんが、ぼくにコップを渡す。
冷たい水だった。
ぼくはそれを一気に飲み干す。
すごい疲れた。
それは肉体だけの疲れではなかった。
頭の芯がだるいっていうか。
なんか、すごい頭を使ったあとみたいなだるさだ。
その原因はだいたいわかっている。
これは、魔力を使った後の疲れだった。
ぼくの場合は魔法を使わなくても、何かになりきることで魔力を消費するようだ。
それと、体中の筋肉がきしんでいる感じ。
向こうの世界では帰宅部で体育の授業以外で運動なんてしたことがなかった。
そのぼくの筋肉で風太さんと同じことをしたのだ。
だから、筋肉はズタズタなんだろう。
これを繰り返したら筋肉が強化されるのだろう。
でも、今は体が少しも動かせない。
「大丈夫?」
舞衣さんが心配そうにのぞき込む。
「だめ、みたいです」
情けないけど、これ以上の練習は無理みたいだ。
「情けねえな。
次は空中ブランコを教えようとおもったんだけどな」
ちょっと嬉しそうな風太さん。
やっとマウントが取れたって感じだ。
「じゃあ、わたしたちは続けるから適当に休んでおいて」
舞衣さんは立ち上がる。
今日はもう無理だろう。
少し眠れば治るかな。
でも、今日の筋肉痛がこれだったら、明日はもっとやばそうだ。
「大丈夫ですか?」
その時、心配そうに話しかける声。
まさかこの声は…
そして、ぼくの顔を覗き込む顔。
それは、ぼくの大大大好きなアイドル綾崎星姫さんの顔だった。
そして、その声。
ぼくは夢をみてるのではないかと自分の頬をつねるのだった。




