表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/440

03

「ちょっとやめてよ」

 ぼくは2人を止める。


「そうそう…その顔…マネカワらしいよ」

 2人は口喧嘩をやめてぼくを見る。

 うん、ちょっと気が晴れた気がする。

 昔、アイドルが自殺したとき、たくさんのファンが後追い自殺をしたらしい。

 自殺とはいかないけれど、その気持ち、今ならわからないでもない。

 推しはそれほどぼくたちの心の支えとなっているのだ。

 現にスターエンジェルズのファンからの悲惨な叫びがツイッターでつぶやかれる。

 生きる希望を失いましたとか何もやる気がおきないとかね。

 まだ、テレビに出始めたくらいのアイドルだから、まだ大丈夫なんだけど、もしこれがトップアイドルだったりすると社会問題にもなりそうな気がする。

 

 でも、ぼくにはこうして心配してくれる親友がいるんだ。

 それは紛れもない現実世界でのことだ。

 だから、落ち込んでばかりもいられない。

 元気をださなければね。 


「マネカワはやっぱバカだよな」

 啓之がため息をつく…

 これが今日の結論みたいだ。


「うん、でもありがとう。

 少し気が晴れたよ」

 ぼくは2人に礼を言う。


「どういたしまして」

 浩二がぼくの頭をつかんで髪の毛をくしゃくしゃにする。


「それにしても、あの消失事件って…」

 啓之が話題を消失事件のほうに振る。

 

 星姫さんの消失…

 それは突然のことだった。

 いきなり公式サイトからスターエンジェルの活動休止が発表された。

 そして、ネットではいろいろな噂が流れ始めた。

 警察もこの事件については正式に発表していないのだ。

 ただ、まことしやかな話では、テレビ局の控室にいた人間がすべて消えてしまったとのことだ。

 そのまえには軽い地震みたいなものがあったとも言われる。

 それから、その現象は初めてではないとの話もある。

 突然にある空間にいた人間がいなくなるという現象.

 それが時々起きているとのことであった。

 まあ、ぼくたちの近くで生じたことはないから真偽はわからない。

 政府も原因がわからないことなので、いたずらに国民の不安を煽らないよう、秘密にしているというのだ。

 某国の仕業ではないかともネットでは囁かれている。


 でも人気急上昇中のアイドルをいきなり消失させて、何の利益もないだろう。

 もう3ヵ月くらいたつし、話題づくりとも思えない。

 たぶん、一種の超常現象と考えるしかない。

 啓之も浩二も神隠しはあるって結論みたいだった。


 ぼくたちはこの不思議な事件について、ハンバーガーを食べながら、いろいろと話しをするのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ