28
翌日は朝早く起きる。
なんかすっきりしている。
すごくよく寝た感。
けだるさみたいなものは抜けている。
今日からがんばるぞ。
ぼくのやることは何だろう?
ものまねショー?
でも、なんのものまねをすればいいんだろう?
やっぱ、動物真似とかかな。
まず朝ごはん。
朝ごはんはバラバラみたいで星姫さんとは会えずだ。
まあ、いつでも会えるからいいかな。
つぎにグレゴリオさんに呼ばれる。
グレゴリオさんはみんなに団長って呼ばれている。
ぼくも団長って呼ぼう。
「それでは、前川くんの仕事について説明しますね。
まあ、座ってください」
ぼくは団長の正面に座る。
「ここでは、みんな何かの仕事を持っているのです。
いちおう、ぼくが決めさせていただいています。
もし、違うと思ったら言ってください。
でも、ここでは何か仕事はやっていただきます。
向こうの世界とは違って働かざる者食うべからずです。
君たちを助けたのもみんなの稼いだお金なのです」
「わかりました」
「それでは君はステージの方を担当してもらいます。
これが衣装です」
ぼくの前に服が置かれる。
それは赤と白中心の派手な色だ。
もしかして…
ぼくはその衣装を開いてみる。
それはぶかぶかの道化服。
頭に3本のとんがりのある帽子。
先がとがって丸まった靴。
それと鼻につける赤いボールだった。
「前川君にはピエロをやっていただきます。
ぴったりでしょう」
いや、ぼくはひとを笑わせたり、目だったりというのは苦手だ。
団長の期待でいっぱいのまなざしにぼくは引きつった微笑みで、力なくうなづくことしかできなかった。




