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見える。
やつらの攻撃が…
まるでスローモーションのように…
これが見切るということか。
ぼくは右の盗賊の剣を避けて、袈裟懸けに斬る。
その刃は簡単に盗賊の脇から心臓に届く。
骨とかあるはずなのに、簡単に刃が通るのだ。
これが達人の剣なのだろうか。
自分でも驚くほどの剣技だ。
そのまま、相手の身体を崩して、それでもう一人の剣を受ける。
たぶん、死体になっているだろう敵から剣を引き抜き。
そのまま、突きを入れる。
突きは盗賊の心臓を貫く。
そこまでの間、ぼくの中ではかなりの時間だったが、実際には瞬きの間だった。
ぼくの前に盗賊二人が倒れている。
「まさか、その剣技。
アーノルド騎士団長か」
頭目がぼくの剣を見破る。
そんなに特徴的な型なんだろうか?
ぼくにはわからないけれど。
「一度、奴の試合をみたことがある。
まるで瓜二つだ」
そう言って逃げようとする頭目。
その後ろから、魔術師が火の玉を放つ。
そのとたん、またぼくの中に何かが流れ込んでくる。
それは魔法の使い方だった。
これも、言葉ではない、経験が流れ込んでくるのだ。
ぼくが手を突きだすと、相手の火の玉は消滅する。
魔法の盾だ。
この魔法は相手の魔法を消滅させる。
もちろん、それは魔力の強さに比例する。
あいての魔力が強ければ、打ち消すことはできない。
ただ、さっきの盗賊の魔法は完全に消滅していた。
相手の魔術師もそれがわかったのだろう。
自分の魔法が通じない相手であることを悟って、頭目に逃げるように言う。
しかし、今度はぼくの番だ。
同じ火の玉でいいだろう。
あまり大掛かりなものは、どうなるかわからない。
ぼくは、盗賊と同じ魔法を放つ。
ぼくの手から飛び出した火の玉は相手の10倍の大きさだった。
そして、それは倍のスピードで頭目と魔術師の方に向かい、大爆発を起こすのだった。




