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「次に奴隷として買われた人ですが。
大金貨一枚っていうのは、なかなかの大金です。
その大金で買った人間は大事に使われます。
労働力として重宝されるんです。
村人といってもこっちの世界の人より体力とかは上ですから」
紫織さんも少し安心したのか、表情が柔らかくなる。
「すこし例外があって、女性の場合、その…
へんなことをいいますが…
いやらしい意味での奴隷として…
そういう心配もあるので、紫織さんを選びました。
2人分しかお金がなかったので」
「でも、こっちの世界ではわたしはブスなんじゃないのですか」
「いえ、だいたい美人の基準は同じです。
ただ、あの、こっちでは異世界人は差別されているのです。
高級娼婦、えーと、そういう人はこっちの世界の人となります。
そして、異世界人と交わるのは不浄なこととされています。
でも、雨咲さんくらいかわいいと、それでもいやらしい意味で買う人がいて…
それはかなり変態的なお金持ちということになります」
「じゃあ、どうして?
他の人はわたしを買わなかったんですか?」
「それがぼくの能力なのです。
ぼくのJOBはライヤー…
つまり、嘘つきなのです」
そういえば、グレゴリオさんの行動ってなんか不自然だった。
最初雨咲さんのところにたくさんの商人が集まってたのに、グレゴリオさんが大声で何か言ったとたん離れていった。
「ぼくの言ったことは本当のこととなるのです。
みんながそれを信じてしまうのです。
ただ、短時間しかもちませんが」
でも、すごい能力だ。
「雨咲さんはわかるけど、じゃあ、どうしてぼくを買ったんですか。
力もない、ミミックなんてわけのわからないJOBなのに」
「それは、あなたの能力が必要だからです。
魔王さまにも、できれば女の人を買ってくるようにいわれています。
しかし、使える能力者がいたらそっちが優先なのです。
わたしたちにはまだ戦力が足りないのです。
いつかこの異世界転移なんて馬鹿なやり方を壊さないとならないのです」
「でも、ミミックって?」
「我々の中でも、一番すごい能力です。
正直、やつらが気づかないかとひやひやしました」
グレゴリオさんはぼくの能力について語り始めた。




