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異世界黒猫サーカス団 異世界転移したらミミックだった  作者: PYON
第1章 異世界転移

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「グレゴリオさん、いつもありがとうございます。

 だれも買わない奴隷を引き取っていただいて」


「そうですね。

 一種の慈善事業ですよ。

 いつもローランス王国にはお世話になっていますからね。

 国のおかげで我々は安心して過ごせるのですから」

 グレゴリオは袋から金貨を取り出す。

 なんか胡散臭い笑顔を浮かべてだ。


「おい、こっちにこい」

 兵士に話しかけるときとは違う表情だ。


 ぼくたちを呼ぶ。

 仕方ない、おっさんのそばに行く。


「帰るぞ」

 そう言うとおっさんは歩き出す。

 ぼくたちはそのあとに続く。

 女子高生には目で話しかける。

 がんばれよって。

 がんばったからどうなるってもんでもない。

 でも泣いてたってどうなるもんでもないんだ。

 無責任だけど、前向きにいこうよって。

 女の子の涙は乾いている。

 女の子もぼくに向かってうなづく。


「アーノルド騎士団長、いつもご壮健でなによりです」

 さっきの騎士団長を見つけたおっさんはもみ手をして近寄る。


「ああ、グレゴリオか。

 おまえも元気そうだな」

 

「また、奴隷を買わせていただきました。

 しかし、まあ、出来損ないばかりですがね。

 今度、勇者で使い物にならなくなったのがいたら、まわしてくださいよ」

 おっさんはそでの下を渡す。

 そのときに、ぼくにひっかかったのかぼくを押す。

 ぼくはつんのめってアーノルドさんの方に倒れる。


「気をつけろ!」

 アーノルドは僕を突き飛ばす。

 そのとき、騎士団長の手からなにか不思議な感覚のものが流れ込む。


「すみません。

 この奴隷が失礼しました。

 あとできちんと教育しておきますので、ご容赦ください」

 おっさんはペコペコと頭を下げる。

 おまえが突き飛ばしたんじゃないか。

 アーノルドから離れたおっさんの顔を見るとニヤリと笑っている。

 そして、ぼくの耳元で囁くのだった。


「あれがこの国一の剣だ。

 覚えておけ」



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