13
「では、落札結果を発表します」
「一番、女、大金貨1枚金貨5枚、メルッサさんの落札です」
兵士はさっきおっさんたちが渡していた紙を読み上げる。
あれが、入札用紙になっていたらしい。
入札結果が次々と読み上げられる。
その中でさっきのカップルが別々の人に引き取られたみたいだ。
2人とも、泣いて別れるのを嫌がる。
男の人の方がボコボコにされて引き離される。
ほんとうにひどいやつらだ。
さっきから思うんだけど、こっちの世界の人間はぼくたちを家畜のようにしか扱えないのか。
ぼくの怒りは行き場がない。
でも、覚えておいてやる。
ここにいるすべての異世界人を。
生き延びてこの世界を壊してやる。
すべてを引き裂いてやる。
覚えていろ。
さっきの女子高生の番。
ぼくが見る限り彼女に入札したのはあのおっさんだけだったはずだ。
「5番、女、大金貨1枚、グレゴリオさんが落札です」
あのハゲデブが嬉しそうに手を上げる。
でも、このおっさんなにをしたのか?
絶対におかしい。
だって、女子高生グループの中でこの子がいちばんかわいいのだ。
たぶん、ぼくの意見だけではないはずだ。
もしかして、この世界の美的センスは向こうと違うのかもしれない。
女子高生は泣き出してしまう。
あのおっさんの好色そうな笑い。
結末は予想どおりになるのだろう。
今は希望は持たない方がいい。
それから僕の番だ。
そう、ぼくも入札したのは、あのおっさんだけだ。
「最後です。
6番、男、大金貨1枚グレゴリオさんです」
やっぱり、あのおっさんだ。
ぼくもろくなことにならないだろう。
だけど、いつかこいつらを殺してやる。
おっさんが近づいてくる。
さっきの女子高生を連れてだ。
そして、ぼくの顔を覗き込む。
「いい目だ。
この気持ちを忘れるな」
おっさんはぼくの耳元でそうささやくのだった。




