01
ここから少し時間が戻ります。
晃の友達視点から、王国の勇者軍の動きを描きます。
少しダークな話となります。
晃が連れていかれる。
また浩二が暴れようとするがそれを止める。
今、動くべきではない。
とにかく、この世界の情報が少なすぎる。
この状況で暴れても、首輪を操作されて殺されるだけだ。
成功確率は限りなくゼロ。
晃も簡単には殺されたりしないだろう。
過去、元の世界での奴隷制度においても、奴隷をただ虐げるというのはなかったらしい。
奴隷を買うのに大金が必要となる。
あくまで、働かせるために買うのだ。
だから、元の世界のブラック企業の社員よりずっと大事にされていたという説もある。
とにかく、冷静に考えて、奴隷を殺しても何の利益もないだろう。
だから、晃はしばらくは大丈夫だ。
それに晃は不思議なやつだ。
何か期待をしてしまう。
ぼくと浩二と晃は高校の入学式で、近くにいただけだった。
でも、すぐに意気投合した。
浩二はただただすごいやつだし、晃は平凡に見えるけどなにか惹かれるものがあった。
それは浩二も同じように感じている。
晃にはモノマネという特技がある。
それは、普通のモノマネじゃない。
芸能人とか何度か見ただけで、その特徴をつかんでしまうのだ。
それは神業と言ってもいいくらいの才能だった。
でも、晃の魅力はそういうのではない。
何かぼくや浩二にないものを持っているのだ。
だから、晃は大丈夫だ。
なんか、そんな気がする。
とにかく、この世界を知ること、これが優先事項。
それから、相手を油断させることも大事だ。
しばらくは奴らの言うことを聞こう。
優等生であるぼくには得意なことだ。
期待に応えるのなんてね。
あとは浩二をどう抑えるかだ。
単細胞で正義感の強いやつだからな。
それはなんとかしよう。
そして、晃と3人で元の世界に戻ろう。
浩二も落ち着いたようだ。
「それでは、勇者様方には、これからの話をしましょう」
ルーバルトは満面の笑顔で話を再開する。
とにかく胡散臭いの一言だ。
でも、ぼくたちは集中する。
そう、これからのこと、それは一番大事なことだ。
ルーバルトはぼくたちの顔色を見ながら、ゆっくりとこの世界の話を始めるのだった。




