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異世界黒猫サーカス団 異世界転移したらミミックだった  作者: PYON
第5章 スライムの王

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 団長の返事はもちろんOKだ。

 戦力としてより、向こうの情報を知っていることが価値が高いということだ。

 それから、渋沢さんの見立てでは、スズキさんは少し精神を病んでいるとのことだ。

 昔、パワハラを受けた部下を見た時に似ているというのだ。

 いきなり、戦ってもらうのではなく、簡単な仕事をしながらゆっくりと慣れてもらうということだ。


 スズキさんは鈴木太郎と言う名前だ。

 大学の2年生で、タナカさんと一緒にコーヒーショップでいるところをこちらの世界に飛ばされたとのこと。

 ぼくらはバーガーショップだし、転移魔法はファストフード店が好きみたいだ。


 職業は重騎士というだけあって、少し小太りの体型をしている。

 とくにスポーツとかはやってなかったみたいだ。

 ぼくたちよりも2か月ほど前にこっちに来たとのこと。

 だいたい2か月に一回程度の召喚を行っているみたいだから、ぼくたちの一期先輩と言える。


 ぼくたちと同じでJOBを調べられて、重騎士となったみたいだ。

 タナカさんは勇者、サトウさんは知り合いじゃないけど同じときに召喚されたみたいだ。


 ぼくたちと違って、戦力と判断されたら、研修に入るのだ。

 寄宿舎で生活しながら、剣や魔法を教えられる。

 その研修は軍隊的であり、現代の日本で育ったものにはきついものだった。

 転移者はそれなりに高い身体能力を持っているから、なんとかなったみたいだ。

 でも、その研修は一方的なもので、転移者を人間として扱っていないところもあった。

 やっぱり、いきなりここに連れてこられて、世界を守れといわれても、ぼくにも納得はできないと思う。


 その中で鈴木さんとタナカさんは落ちこぼれ始めた。

 まず、厳しい身体鍛錬が行われる。

 毎日、ハードな筋肉トレーニングと戦闘訓練だ。

 倒れても、たたき起こされて、訓練を続ける。


 王国の常識も叩き込まれる。 

 聞いた限り、それは洗脳。

 いかにアルバート国王が偉いか、王国貴族が如何に尊い血筋であるか。

 魔族が如何に悪しき存在であるか。

 そういうことを何度も何度も聞かされるのだ。

 学校の教え方ではない。

 覚えないと、罰が与えられる。

 眠らせてもらえず、延々と王国の正統を教えられるのだ。


 とにかく、ぼくなら耐えられない扱いだ。

 本当に団長に拾ってもらってよかった。

 そうじゃないとつぶれていただろう。


 あと、浩二と啓之のことを聞いてみた。

 名前はわからないが、ぼくが言ったことから、心当たりはあるみたいだ。

 教官たちが今回の召喚は当たりだったと言っているらしい。

 特に勇者、賢者、侍がチートと言えるくらいの能力があるとのことだ。

 鈴木さんたちはお前らはいらなくなると言って笑っていたらしい。

 もし、いらなくなるとどうなるかわかるなって言って…


 とりあえず、二人は生きているみたいだ。

 はやく力をつけて二人を助けなければ。

 ぼくは、その思いを強くするのだった。

 

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