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でも、キングは触手を伸ばして、サトウさんの心臓を突く。
サトウさんは即死だ。
「また、レベル上げとかされたらいやだからね」
「でも、何も言わないで殺さなくても」
舞衣さんが立ち上がってキングをにらむ。
「ぼくが信用したのは君たちだけだよ」
舞衣さんの言葉を無視してスズキさんに向かう。
ぼくたちの言葉は通じない。
ぼくはスズキさんの前に立ちふさがる。
「スライムキングさん、やめてください!」
ぼくは剣を抜く。
「ぼくと闘おうというのですか。
君たちとは戦いたくないのですがね」
「もし、スズキさんを殺すのなら、戦います。
異世界人も、王国の被害者なんです。
それに、彼らはコボルトを殺すのをためらってました。
彼らは僕たちと同じなのです。
ただ、王国に操られているだけです。
この首輪をつかってね」
「ふうん。でも、彼らはぼくたちの敵だ」
「だから、この首輪の呪いがとけたら、異世界人はぼくたちに味方します。
こんな、首輪でぼくたちを使おうとする王国をみんな恨んでいるはずです。
そして、彼らが仲間になったら、王国を倒すことができると思います」
「しかたない。
さっきの借りを返させてもらうよ。
それだけじゃないな。
君を信用しよう。
この前から見ていて、気に入ってしまったからね。
その人だけは助けてあげよう」
そう言って、キングは笑う。
「ありがとうございます」
ぼくは礼をする。
舞衣さんはまだ納得がいかないみたいで、まだなにか言ってる。
星姫さんがそれをなだめている。
キングが手をあげると、スライムたちは引き始める。
「それでは、また会おう。
ぼくたちはいろいろと助け合えるみたいだからね」
キングはぼくたちに微笑むと、背を向ける。
ぼくは、最敬礼をしてキングの後ろ姿を見送るのだった。




