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あとは、魔法使い。
サトウさんだったかな。
さっき詠唱していたファイアーボールが飛んでくる。
テニスボールくらいの大きさの火の玉だ。
ぼくのバリアで消滅する。
サトウさんは次のファイアーボールを飛ばしてくる。
でも、とくにさっきのと変わるところはない。
攻撃はバリアを超えることができない。
そして、火の玉はだんだん小さくなる。
10発目くらいで、魔力切れを起こす。
これで、あとはリンドグリーンだけ。
でも、いままでの人とは違う。
「やはり、落ちこぼれ組はだめだな。
せっかく、レベル上げに連れてきてやったのに、ぐずぐずしているからこんなことになるんだ。
コボルトがかわいそうだって?
お前らに狩れるのは子犬かスライム程度なんだよ。
まあ、このサーカス団でレベル上げをさせてやるよ。
人間って案外経験値をもらえるからな。
普通は人間は殺せないが、帝国の反逆者となると別だ。
とどめだけ刺させてやる。
私たちにはそのレベルとかいうのはないからな」
レベル上げ、さっきから聞こえてくる言葉。
RPGの世界では、モンスターを倒すと経験値がもらえる。
それが一定の数値に達するとレベルが上がって、HPやMP、攻撃力、防御力が上がる。
そういうのが、ぼくたちにもあるのだろうか。
確かに、魔法を使うほどに魔力が上がるような気がする。
それから、この前の戦いのあと攻撃力や素早さが上がったような気がする。
それは、戦いに慣れてきたのだと思っていた。
「さあ、誰からだ」
リンドグリーンは槍を構える。
風太さんや舞衣さんは素手で闘う。
どうしても、槍を相手にするのは分が悪い。
さっきの勇者くらいの腕なら、大丈夫だけど、この戦士は格段に強い。
ぼくが先に戦おう。
「おや、お前は剣士だったのか。
魔法使いだと思っていたのだが…
それにしても中途半端だ。
魔法も剣術も使えるというやつだな。
本当に異世界人のほとんどはふざけているとしか思えないな。
自分が何者だと思っているのだ。
おまえらごときが両方を極められるわけがないだろう」
リンドグリーンは下段に槍を構える。
ぼくは剣を抜いて槍使いの前で構えるのだった。




