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異世界黒猫サーカス団 異世界転移したらミミックだった  作者: PYON
第5章 スライムの王

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09

 馬車が止まって、何か言い争う声。

 ぼくは、目をこすりながら、身体を起こす。

 舞依さんと風太さんの声に知らない人の声が混じっている。

 次の町までまだ時間があると思っていたけど。


 渋沢さんも起きている。

 ぼくは目で渋沢さんにどうするか聞く。


「行ってみましょうか」


「はい」


 ぼくたちは馬車から外に出る。


 風太さんと舞依さんの前に4人くらいの人。

 サーカス団の人ではない。


 鎧と盾に剣を帯びた人が3人。

 ローブの人が1人。

 なにか風太さんと言い争っている。


「だから、弱いものいじめはやめろって!」


「俺たちの経験値かせぎの邪魔をしようというのか。

 俺たちはルセアニア王国の勇者パーティだ。

 世界を救う俺たちのじゃまをしようというのか」


「だから、コボルトの子供を殺す必要はないだろ」


 コボルトというのは顔が犬の獣人だ。

 子供だけに顔も子犬っぽい。

 倒すには罪悪感を感じるレベルの愛らしさだ。


「私は帝国騎士リンドグリーン。

 勇者の教育係だ。

 お前らはサーカス団か。

 私たちが魔王と戦っているから、お前らが下等な芸とやらで食っていけるのだろう。

 そんなおまえらが、私たちにはむかおうというのか」


「でも、魔族とはいえ、こんな小さな子供を殺すことはないでしょ?」

 舞依さんも引かない。


「うるさい!

 私は勇者を育てなければならないんだ。

 この勇者は教育が終わったんばかりのひよっこたちだ。

 スライムやコボルト、ゴブリンを倒すことからはじめないとならないんだ。

 それに、転移者というのは、なんというか。

 考えが甘いのだ。

 中には血を見ただけで気絶するやつもいる。

 この犬コロぐらいは平気で狩ってもらわないとならない。

 彼らを育てるのは世界のためなのだ」


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