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異世界黒猫サーカス団 異世界転移したらミミックだった  作者: PYON
第5章 スライムの王

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08

 スライムキングの力はぼくの能力と相性のいいものであった。

 ミミックは能力を真似ることができるのに対し、スライムは形を真似ることができる。

 それも、人間だけに限らない。

 サイズ感があうものについては、なんにでもなることができるのだ。

 自分の材質まで変えることができる。

 これは使い方によっていろいろなことができる。

 例えば、人間であればその人になりきることができる。

 形だけでなく能力や動きまで真似られるのだ。

 これは潜入するのにすごく都合がいい。


 それにしても、帝国って勝手な国だ。

 ぼくたちだけでなく、スライムたちにまで迷惑をかけているなんて。

 あらためて、帝国と戦う意思をかためる。


 そのあと、団長や風太さんにもスライムキングのことを話す。

 団長の見立てでは、そろそろ帝国は大きな動きを始めるだろうと言う。

 だから、今回のメトロシティでの公演は重要になる。

 できれば、大手の興行団と手を結んで帝国と戦う力にしたい。

 白猫雑技団や青蛇歌舞伎座なんかを味方につけられたら、帝国と戦うのに心強いとのことだ。

 大手の興行団は帝国と対抗できるだけの力を持っている。

 だから、自治区である劇場都市メトロシティを治めているのだ。

 メトロシティには4大興行団が常在している。

 その力が拮抗していることで安定しているとのことだ。

 そして、メトロシティに攻め込むものがいると興行団は団結する。

 渋沢さんが言うには、帝国の1万人の大隊を退けたことがあるらしい。


 その力を手に入れる手立ては団長の頭の中にあるとのことだ。

 もちろん、目の前で不敵な笑みを浮かべる渋沢さんの作戦もあるんだろう。

 難しいことはこの2人に任せておけばいい。


 ぼくたちは、馬車でメトロシティに向かう。

 とにかくハードな旅になりそうだ。


 ぼくと渋沢さんは、見張りの番を変わる。

 

「まかせといて、ずっと寝ててもいいよ」

 舞衣さんが胸をたたいて交代してくれる。

 乱暴だけど、すごく優しい人だ。

 風太さんはまだ眠そうにしている。

 この人はすごく寝起きがわるいのだ。

 

「よろしくお願いします」

 ぼくは礼をして、寝台に移る。

 ぼくのもう一つの特技はすぐ寝れること。

 スライムのこととか考えることがいろいろある。

 普通なら、眠れる状態じゃないんだろう。

 でも、ぼくは横になったらすぐに眠ってしまう。

 浩二や啓之はこの能力がうらやましいって言う。

 マネカワは大物だって。

 大物はおまえらだよ。

 ぼくは、いつの間にか眠りに落ちていたのだった。

 

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