07
「ありがとうございます。
わたしたちも一時的にはあなたがたと組めると思います。
これから、劇場都市メトロシティに参りますが、そこで仲間を集めたいと思います。
そうすれば、帝国に仕掛けることもできます。
他のキングにもよろしくお伝えください」
「うん、わかった」
スライムキングは友好的な顔で答える。
「それでは、一時休戦です。
手を取り合いましょう。
握手といいます。向こうの世界での挨拶です」
渋沢さんはそう言って、キングと僕に握手をさせる。
ぼくはキングの手を取る。
そのとたん、ぼくの中に何か流れ込んでくる。
この感覚、剣聖アーノルドや魔導士ルーバルトに触れたときと同じ。
これは…まさか…
ものまね師の力…
「じゃあ、みんな。
この人たちを通してあげて」
キングがそういうと、スライムたちは道を避ける。
「ありがとうございます」
ぼくたちは馬車に乗り込む。
振り返ると、キングは変身を解いて、スライムに戻る。
でもただのスライムではない。
金色のスライムだ。
まるで金塊のようなジェル。
それが、キングの本当の姿だったんだ。
そして、ぼくは、あのスライムキングの力を手に入れたのだ。
使いこなせるかどうかわからないけど、選択肢は増える。
アーノルドの剣とルーバルトの魔法。
それ単体では本家には敵わないだろう。
でも、それを合体させることで魔法剣を作ることができた。
スライムキングの力を手に入れたことで、もっとできることは増えるのだろう。
「晃くん、スライムキングの力は手に入れたかね」
渋沢さんがぼくに問う。
渋沢さんはすべてわかっていて、握手をさせたのだ。
ぼくの力を団長から聞いていたのだろう。
「ええ、ばっちりです」
ぼくのものまね能力は転移者のユニークJOBには通じない。
でも、それ以外は吸収できるみたいだ。
スライムキングの能力はこっちの世界の力だ。
ぼくは集中して、腕を液化させてみる。
成功。
まだ、何ができるかわからないけど、いろいろ使えそうだ。
ぼくは渋沢さんの横で、腕をいろいろな形に変化させてみるのだった。




