06
「それで、ぼくたちはこんな首輪までつけられてるんだ。
それと、浩二や啓之を助けないとならないんだ。
ぼくたちはこの世界を潰そうとかしていない。
魔族を滅ぼそうなんて考えてない。
元の世界に戻る方法を見つけて、帝国からみんなを救い出したいだけなんだ」
ぼくは、キング相手に力説する。
「スライムキング、今、晃くんが言った通りです。
わたしも後ろの馬車にのっているサーカスのメンバーもだいたい同じです。
わたしたちは君たちの敵ではありません」
「わかった。
きみたちのことは保留するよ。
転移者だったら、能力を持っているのだろう。
ぼくたちも戦力は多い方がいいからね。
でも、他の魔族と相談してからだね。
魔族には人間を恨んでいるのも多いからね」
スライムキングは微笑む。
なんか、ぼくたちを信用してくれたみたいだ。
「わかりました。
前向きに検討願います。
それと、わたしたちの帝国に関する情報はお伝えしました。
できれば、情報交換をしていただければありがたいのですが。
わたしたちはあれから帝国に入ったことがありません。
だから、最近の状況は噂程度しかわからないのです。
あの国は興行もできない国で、わたしたちのような大衆芸能は許されていないのです。
あくまで、国民には帝国が認めた娯楽しか許されていないのです」
「ぼくたちの知っていること?
いいよ。
まだ、帝国は転移者を呼び続けているみたいだよ。
もう、転移者の軍は100人を超えてるみたいだ。
そして、国境を越えてレベル上げをしに来る。
それから、中でも強いもの7人が王直属の親衛隊となっているみたい。
侍とか忍者とかいうJOBの転移者がつよいらしいよ。
君たちの友達じゃないよね」
スライムキングの話をまとめると、帝国の異世界人召喚は順調に進んでいるみたいだ。
そして、魔族を世界から滅ぼすというスローガンを掲げて、魔族の住む森や山岳部に積極的に攻め込んでいるらしい。
それは、この世界が人間のものというおごりであり、元の世界の独裁者と重なる。
そう、自分たちと人種が違うものを迫害したという戦争中の独裁者だ。
人種主義を掲げることで愛国心を煽る。
そういうことが行われているのだ。
啓之や浩二もたぶんそのために使われているのだろう。
首輪のせいで逆らうことはできないのだから。
勇者や賢者というのは、一騎当千といった強者らしい。
種族でもキングのすぐ下のジェネラルクラスでやっと倒せるくらいとのことだ。
だから、魔族同志、一度手を組むことになったとのことだった。




