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「ローランス王国、騎士団長アーノルドだ。
おまえたちの教育係を務めさせていただく。
まず、王国に対する反抗はみとめない」
がっちりした体格の壮年の男だ。
その岩のような拳で浩二を殴る。
浩二は地面を転がる。
「大丈夫、浩二?」
ぼくは駆け寄ろうとする。
でも、兵士に止められる。
「おまえたちはこの世界では頑丈にできている。
この程度は大丈夫だ。
幾多の転移者を育てたわたしが言うことだ。
安心しろ。
それから、これからルールは痛みをもって覚えてもらう。
このようにな」
うずくまった浩二に蹴りを入れる。
「わかった。浩二にはぼくがよく言っておく。
やめてくれ」
啓之が浩二に駆け寄り、手のひらを当てる。
手が光り、浩二を癒す。
「もう、魔法をマスターしたか。
これは賢者といえど、なかなか使えるかもしれないな。
わかった。おまえに免じて、許してやろう」
さすがは啓之だ。
いつの間に魔法とか使えるようになったんだろう。
そういえば、さっきおとなしくしていたときにいろいろ試してたような感じだった。
「では、商人の方は品定めをお願いします」
ぼくたちのまわりを大人の人が歩き回る。
何か兵士の人と会話しては、なめるようにぼくたちを見る。
ぼくのところにも、中年の女の人が来る。
すごい派手な服を着た小太りの女性だ。
「この子は?」
「ミミックです。マダム。珍しい出物ですよ」
営業スマイルで兵士が答える。
「ほんと、珍しいわね」
女の人がぼくの顔を覗き込む。
「ミミックだって?」
そこに赤ら鼻の太ったハゲのおっさんが割り込んでくる。
みたままに悪人のようなおっさんはぼくをみてにやりと微笑んだ。




