04
「ねえ、君、なんでそんなところにいるの?」
ぼくは少年に話しかける。
たぶん、この状態じゃ、ひとりでこっちに来ることはできない。
なんとか助けないと。
少年は答えない。
それどころか笑みを浮かべる。
もしかして、恐怖で自分の状況をわかっていないのか?
「渋沢さん」
ぼくは、渋沢さんにどうするか聞こうとする。
「なんか変だな」
渋沢さんは考える。
ぼくも少年とスライムに違和感を感じている。
スライムたちは少年を中心に集まっているように見える。
まるで少年を守っているように見える。
もしかして、少年はスライムに育てられたとか…
まさか、ありえないよな。
ぼくは、一歩前にでようとする。
同時に、少年もこちらに進み始める。
その時、スライムの大軍が割れる。
まるで、モーゼの海が割れた奇跡のように、左右にスライムが避ける。
そこに一本の道ができる。
「やあ、君たちは転生者かい?」
少年はぼくたちのところまで、歩いてくる。
「うん、そうだけど。きみは?」
「ぼくはスライムの王さ」
「スライムの王ってぼくたちと同じ姿をしているんだ」
「ハハ、そうじゃないよ。
ぼくはどんな姿にもなれるんだ。
今日は君たちと話すために、この姿をしているんだ」
「なぜ、ぼくたちの前に現れたの?」
ぼくは尋ねる。少年はぼくたちを敵対視しているのかどうかわからない。
いきなり襲ってくる可能性もある。
少年の狙いがわからない。
「話をするためだよ。
でも、話の内容によっては君たちを殺すことになる」
「どういうこと?」
「わたしたちは帝国とは関係はない。
君たちの敵ではない」
渋沢さんがぼくの言葉を遮って、少年に告げるのだった。




