03
街道は細くなって、まわりの景色も変わっていく。
そろそろ、魔獣ゾーンに入るらしい。
ぼくは剣を横に置く、渋沢さんも同じ。
二人とも口数が少なくなる。
馬車もゆっくりと走るようにする。
いきなり大型の魔獣が現れた時に対処するためだ。
遠くに巨大な生物の影。
恐竜のような大きさのものが歩いている。
その歩みは遅く、そして相当の距離がある。
団長がいうには、あの恐竜のようなものは危険ではないらしい。
草食だし、動きは遅い。
踏み潰されないように気を付けたら大丈夫らしい。
ただ、あれが見えるところはもう魔獣の地。
普通の動物では、生き残れない辺境の地。
馬車が止まる。
道にスライムがいて、そのまま進めないとのことだ。
ぼくと渋沢さんは馬車から降りる。
道には子犬サイズから動物園のライオンサイズまでのナメクジみたいなものがいる。
それもたくさん。
いろいろな色のものがある。
ゲームなら、それぞれ属性が違うのだろう。
「こんなにたくさんのスライムは初めてです」
馬車を運転していた先輩が渋沢さんに報告する。
「確かに。わたしも初めてだな。
うかつに戦わないようにしよう。
除けていただくのは、調査をしてからだ」
渋沢さんの意見は慎重だ。
この命の危険がどこにでも存在する世界では当然のことだ。
ぼくは、渋沢さんの前に出る。
もし戦うことになったら、ぼくの魔法攻撃が一番有効だろう。
剣で斬れるように思えない。
「晃君、攻撃してはいけない。
魔獣といえど、こちらに危害を加えない限り、むやみに殺すべきではない」
「わかりました」
でも警戒は怠らない。
ぼくは、何か彼らを除くいい方法がないか考える。
そしてもう少し先を見る。
スライムたちの中央には、一人の少年がいるのが見える。
もしかしてかなりやばい状況じゃないか?
ぼくは渋沢さんを振り返る。
渋沢さんも気づいてたらしく困ったような顔でうなづくのだった。




