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ぼくが目を開けると、目の前では最後の戦いが始まろうとしていた。
こっち側には黒い少年。
そして、相手はあの仮面紳士だ。
「さっきのピエロにわたしたちの秘密は暴れてしまいました。
でも、あなた方にわたしたちを倒すことはできません。
さっきまでは仮面が彼らを操っていました。
しかし、仮面に魂を込めるのにも限界があります。
どうしても単純な考えになることは否めません。
しかし、わたしは別の方法を考えました。
人間が仮面となるのです。
それも天才である私自身が仮面のかわりとなって、魔王さまを導くのです。
最強の頭脳と最強の身体の合体。
わたしたちは無敵なのです」
仮面紳士は酔いしれたように、大仰なしぐさで観客にアピールをする。
「とにかく、わたしが出た限り、あなた方は終わりです。
まあ、ここまで頑張ったことは認めましょう。
わたしたちにも少し弱点があったようです。
それがわかったことは、この戦いに意義があったといえるでしょう。
これから、青蛇歌舞伎団と組んで白猫雑技団と闘わなくてはなりませんからね。
あとはあなたをひねりつぶすだけです。
あなたも魔王なんですよね。
どんな力を持っているのでしょうか。
しかし、どんな力があっても同じです。
わたしたちが負けるはずありませんからね。
あなたの身体の中に入り込んで、内臓や脳を破壊することもできるのですから。
それも、わたしの頭脳を持った無数の蟲。
あなたには何もできないのです」
「心配いりません。
あなた方のような低俗な芸術がなくなっても世の中にはなにも損失はありません。
あなた方のサーカスは文化とよべるものではありませんからね。
さあ、試合開始のゴングを鳴らしてください。
ハンデです。1分、時間をあげましょう。
その間、何もしません。
好きに攻撃してください」
仮面紳士が指を鳴らすとゴングが鳴る。
「うるさいニャン」
そのとたん、仮面紳士の前に黒い少年が現れる。
縮地、そんなものじゃない。
ワープ、転移、そんな感じだ。
黒い少年はパンチを見舞う。
そのパンチも手をグーにしてスナップを利かせて殴る。
俗に言う猫パンチというやつだ。
仮面紳士の仮面は粉々になり、仮面紳士も空を飛んでいく。
仮面紳士は小さな点となって、見えなくなるのだった。




