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蟲たちは、そんなに頭が良くないようだ。
単純な行動しかとれないみたい。
仮面が知能を与えていると言っても、パターンがある。
まるでゲームの敵キャラのように。
アルゴリズムを読んで攻撃すれば攻略法はありそうだ。
その答えがこれだ。
ぼくは息を止めて、身体に炎をまとわせる。
そう、いきなり最強火力で…
身体にはバリアを張っている。
それから、息を止めることが必要だ。
炎は酸素を燃やしてしまう。
だから、エンチャントの間は息を止めていなければならない。
こっちの世界に来たことと今までの訓練によって、ぼくの身体能力は上がっている。
でも、3分くらいが限界だ。
ぼくは限界ぎりぎりまで、息をとめて、炎をまとい続ける。
そして、エンチャントを解く。
もし、相手がうまく逃げていたらぼくの負け。
ぼくはゆっくりと目を開ける。
ぼくの周りには、焼けた蟲の山。
それから、仮面の燃えカス。
相手の攻撃は来ない。
なんとか、勝ったみたいだ。
蚊はもう統率力もなく、そこらをさまようだけだ。
それに、ほとんどの蟲は燃えてしまったのだ。
集まったとしても、もう何もできないだろう。
しばらくたっているぼく。
審判はぼくの勝ちを告げる。
これでいい。
ぼくは膝をついて崩れる。
そう、魔力を限界までつかってしまったんだ。
もし、相手があと一度だけでも攻撃をしてきたら負けていただろう。
でも、ぼくは賭けにかったんだ。
あと、ひとり…
どうしよう。
考えていなかったな。
ぼくはそのまま、倒れてしまう。
その身体を受け止める手。
渋沢さん、団長、いや違う。
その手は少年の手だった。
魔王さま、来てくれたのか。
これで安心して倒れることができる。
ぼくは、その場で気を失ってしまうのだった。




