10
「勇者が2人、侍が1人、賢者が1人ですか。
まあまあの結果ですね」
ルーバルトは満足そうに言う。
「それではあなた方はこちらへ。
これまで、大変失礼いたしました。
勇者さまたちの世話をたのむ。
この国を救っていただく人たちだ。
くれぐれも丁重にな。
そして、商人たちにはいってもらえ」
ルーバルトの言葉で従者が入ってきて、啓之たちを連れて行こうとする。
「待て、彼らはどうなるんだ!」
浩二がルーバルトに尋ねる。
「これから競売にかけさせていただきます。
この異世界召喚というのにもかなり経費がかかっていましてね。
いらない召喚者はその一部となっていただきます」
「なんだと!
そんなこと許さない!
マネカワは俺たちと一緒だ」
「そういうわけにはいきません。
あなた方の世界から来た者はJOBですべて決まるのです。
村人はレベルを上げても村人にしかなりません。
残念ですがものまね師なんて、サーカスくらいでしか使えないでしょう」
「勇者の命令だ。
全員、丁重に扱え!」
「ハハハハハ。
勇者様は何か勘違いされているようです」
「どういうことだ」
「あなたは62番目の勇者です。
召喚を行うと一人くらい勇者が引っかかるものです。
それから45番目の賢者。
決して珍しくない職業ですね。
それに中途半端だ。
勇者なら剣士や騎士のほうが強くなります。
勇者が活躍できるのは魔王と戦うときだけなのです。
だから、ひとりの戦士として扱うしかないのが勇者です。
それから賢者も同じ、すべての魔法が使えるようですが、ひとつひとつの魔法はそんなに強くない。
侍は、いいですね。
これで3番目です。
たぶん多大な戦力となるでしょう」
浩二は殴りかかろうとする。
しかし、その拳はひとりの剣士に止められるのだった。




