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私の彼は  作者: Chiruha
番外編
79/84

【番外編⑦】引っ越し

トントン...


『...どうぞ』と中から声がする。

いつもの祐也くんの声よりトーンが低かった。

...やっぱ落ち込んでるよね。

目を閉じて深呼吸をしてから部屋に入る。

「祐也くん、だいじょ...」

視界に入ってきた彼は衣装姿だった。

カラフルな衣装に包まれてるのに彼の表情は暗い。

私の顔をみると彼は苦笑いした。

「怪我しちゃった。いつもよりステージ狭いっつって聞いてたのにさ。

リハの時に落ちちゃったの。

剥離骨折っていうの?

骨折しちゃったからさ、しばらくステージ上がれねぇの。」

祐也くんは不安な時、それを隠すように言葉を連ねる。

私はベットのそばにある椅子に座り、彼と目線を合わせる。

「祐也くん、痛みはどう?」

「ん?ギプスされたから大丈夫。」

大丈夫な表情ではなかった。

「見てもいい?」

「いいよ」と言うと布団をめくって見せてくれる。

そっとギプスの上から撫でる。

「落ちた時、痛かったよね。

祐也くん、今日のライブもあんなに楽しみにしてたのに。

残念だったね...。」

今ちょうど夜の部が始まった頃だった。

「あー!悔しい。なんで落ちたかね?

まあでも怪我したのはしゃーないし、早く治すしかないわな。」

「祐也くん...」

強がってる祐也くんをどう励ませばいいのか、わからなかった。

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