【番外編⑥】音楽
いつのまにかたどり着いた祐也くんの部屋で抱きしめられる。
彼の甘くて爽やかな香りに包まれる。
ー同じ気持ちだね♡
そう言ってくれた彼。
でも、やっぱり迷惑にならないようにしなきゃ...!
身体壊しちゃ大変だし。
彼に抱きしめながら私は心の中で強く誓う。
「ね、優ちゃん。」
抱きしめた腕の力が緩み、彼は私の方を向いている。
さっきまでの笑顔と違い、真剣な表情だった。
「なあに?」
「俺のうち、来ない?」
ここは祐也くんの家。
「?もう来てるよ?」
「そじゃなくて。
一緒に暮らさない?」
「........。
..........?」
脳内処理が追いつかない。
今なんて....?
イッショニクラサナイ?
「再会してからの時みたいにさ。
そしたら毎日会えるよ。
そりゃロケとかで家あけるときもあるけどー?!
どした?なんで泣いてんの?!」
「へ....?泣いてなんか...」
彼はそっと私の目尻を拭う。
私、泣いてたんだ。
「ごめん、いくらなんでも早いよね。
忘れてくれていいから。
泣かないで....?」
彼は勘違いしてる。
私みたいに泣きそうな顔をして。
「祐也くん、違うの。」
「わかってる。いいんだ、ごめん、泣かせるつもりなんてなかった。」
「祐也くん」
彼は私の腰に回した腕を外そうとする。
こっち見て?
「祐也くん!」
我に返ったように驚き、私を見てくれる。
「違うの。嬉しかったの。」
「嬉しい...?」
「さっきね、もっと一緒にいたいって言いたかったの。
でも、祐也くんの負担になりたくなくて言えなかった。」
「負担になんてならないよ?」
「でも、私がそんなこと言ったら無理してでも会おうとしてくれるでしょ?」
「そりゃ彼女のお願いは聞かないと...」
「だから言えなかったの。
でも、祐也くんも同じ気持ちだったって分かって嬉しかった。
一緒に暮らさないかなんて、聞いてくれるなんて思わなくて。」
「じゃあ...!!いいの?」
こくりと頷くと彼は私を抱きしめ直す。
「やったー!まじで嬉しい!ありがと、優ちゃん!!」
「こちらこそ....ありがとう。」
彼の胸に頰を寄せると、私のとは違う胸の鼓動が聞こえた。




