【番外編⑥】音楽
彼も新曲を聴きながら夕陽を眺めてる。
「優ちゃん。」
ふと名前を呼ばれる。
彼の方をみるが、彼は夕陽の方を向いたまま。
「あの日もこんな夕陽だったよね。」
「!!」
祐也くんもあの日のこと思い出してたの?
「私も同じこと考えてたよ。」
「そっか。」
今日はその言葉をよく言ってるけど、その3文字に気持ちが込められてて、それが私にもわかるのがなんだか嬉しかった。
「私、あの日祐也くんに会えてよかった。」
「うん。俺もだよ。」
「私に気づいてくれてありがと。」
「俺の勘冴えてたね(笑)」
「冴えまくってた!」
「ビビビッて。あの子助けなきゃ後悔するぞ?!って聞こえてきたの。」
「内なる声?」
「そ。内なる声。
あんとき見過ごしてたら、男終わりだわ。」
彼は腕を組んで口を尖らす。
「見逃してても私は怒らないよ?」
「いーや、俺はあの後ずっと後悔したね!」
彼の手に私の手を重ねる。
「あの時会えた場所だから...。
祐也くんに会えない時とか、たまにここに来てたの。
でも、今日も会えたね!」
きょとんとする彼。
「たまたま通りかかったら、優ちゃんがいるのが見えてさ。
すごいデジャヴだったけど(笑)」
「それがすごく嬉しくて。
2回も私を見つけてくれたから、1回目も私のこと見逃したりしなかったと思うよ?」
「!!優ちゃん...。」
名前を呼ばれた後、彼は腕を動かすがやめる。
「抱きしめたいのに、外だった...。」
彼の手に重ねた手に力を込める。
「これくらいは...あり?」
「アリだね」
と私たちは顔を合わせて笑った。




