【番外編⑥】音楽
彼が新曲宣伝のために忙しく働いている間。
私は彼に会いたいと思うと初めて出会ったと思った場所、つまり再開した場所へ自然と足を運んでいた。
仕事終わりに公園のベンチへ座り、新曲を流す。
イヤホンから流れる音楽に浸りながら夕陽を眺める。
あの日、私のこと気にかけてくれたからこそ再開できた。
幼馴染のゆうにぃ。
あの頃から優しかったけど、今はもっと優しい。
その優しさに甘え過ぎてると思うこともある。
私は彼にその優しさ以上のこと、返せてるのかな。
こないだの泊まりだと言っていたあの日のように疲れていても彼は私に会いに来てくれる。
笑いかけてくれる。
私は彼のために何ができるのかな。
そんなことを考えてると左側のイヤホンが外れた。
付け直そうと左側を見ると人影。
「へ...?祐也くん?!」
名前を呼んで思わず両手で口をふさぐ。
やばい!外だった!
周りを見渡すが、夕方なため遊んでいた子どもたちはもうすでにいなかった。
「何聴いてるの?」
彼は私の右側へ回るとベンチに座った。
イヤホンをはめると彼は目を丸くする。
「STARSの新曲だよ。」
「そっか...。聴いてくれてるんだ。」
彼は照れているのか下を向いている。
「なんかイヤホンはんぶんこって恋人ぽいね?」
実は高校のとき憧れてたワンシーンだった。
彼の顔つきが真剣なものに変わる。
「誰かとやったことあるの?」
「友達とだけだよ。」
じっと見られる。なんだろう?
「??」
「それって...」
そゆことか!
「女の子だよ。
男の子は祐也くんとが初めて。」
「そっかぁ〜」
ほっとしたような、嬉しそうにして笑っている彼。




