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【番外編⑤】こっそり
最近会えなくて寂しい。
仕事が忙しいのはいいことなのはわかるんだけど...。
ツアーで飛び回っていたり、家を空けてることも多い。
いつか、合鍵をもらったときのことを思い出す。
『俺に会いたくなったらいつでも来てくれていいからね。』
『え?だって、地方に行くこともあるでしょ...?』
『俺がいなくても、部屋全体で優ちゃんのこと、包み込んであげる♡』
うわああああ!
思い出すだけで顔から火吹きそう...!!
いや、部屋全体で包み込むってよく考えたらすごい言葉...。
そういえばこんなことも言ってた。
『俺に会いたいってことは、慰めてほしいときもあるでしょ?』
って。
...そう。
何を隠そう、私は今落ち込んでいる。
今日いつもならミスしないことをミスしてしまった。
大事には至らなくてよかったけど、こんな初歩的なミスするのかってショックだった。
彼は残念ながらロケのため家を空けている。
「...行こうかなぁ...。」
自分の家なのに落ち着かなくて、彼の家に行くために必要なものを鞄に詰め、家を出た。




