【番外編③】家族
シャー....
遠くでシャワーの音。
祐也くんが帰ってきた音は聞こえてないから、おとなりさんがシャワー浴びてるのかな?
.....?
私寝てた....?
ゆっくりと目を開けると、私の腕を枕にしてチョコがすやすや眠っている。
かわいいなぁ
天使だなぁ〜!!
何度か会ううちにすっかり私のことを受け入れてくれた。
まぁ、祐也くんには負けますけどねっ!
また“ちゅー”してるとこ見れないかなぁ〜なんて想像して笑ってしまう。
これはファン的に見たいやつだ。
でも他のファンの人にはあまり見せたくない。
彼女だけの前で見せてほしい一面でもある。
鼻歌が聞こえてくる。
お隣さん上機嫌だな。
ん....?お隣さんの鼻歌なんてここに居させてもらったとき聞いたことないぞ?
ガチャリと音がしてリビングに誰かが入ってくる。
は!もしかして....
鼻歌はまだ続く。
祐也くんだ!
寝てる間に帰ってきてたのかぁ〜!!
起き上がろうとすると、目の前にいるチョコのことを思い出す。
んー...どうしよ。
そっと撫でてみる。
私の手にすり寄ってくる....けど寝てる...。
冷蔵庫の開け閉めの音がして、コップを置く音がした。
こちらに歩いてくる足音。
「あれ?起きてたの?あ、むしろ起こしちゃった?」
上から覗き込むように彼の顔が近づいた。
「わわわわ!お、おかえりなさい...!!」
「そんなびっくりしなくてもー」
目覚めてからの彼の顔ははっきり言って心臓に悪い。
バクバクいう心臓の音がどうか聞こえませんように、と祈る。
「いつのまにか寝てて...ごめんね?」
いつのまにか私の正面に回ってきた彼は横に顔をふる。
「全然。むしろ俺の方が遅くなってごめんね?」
「お仕事なの分かってたから大丈夫だよ。」
「ありがと。ねぇ、チョコ慣れたよね。」
私の腕の中で眠る彼女を彼が撫でる。
私を撫でられてるわけじゃないのに、なんだかくすぐったい。
「来た時すごい喜んでくれたよ。
私の周り5周回ってたの。」
「まじかー!俺の時は7周だからね、もうすぐ追いつくじゃん(笑)」
「どうかなぁ〜、祐也くんのこと見るとき恋する瞳に変わってるからなぁ〜」
「あ、ついに?」
「ややっ、やきもちじゃないよ?!
わんちゃんにも好かれる祐也くんがすごいなぁって。」
彼は少し残念そうな顔をする。
へ...?なんか変なこと言ったかな?
「どうしたの....?」
「んー?...俺はさっき妬いちゃった。
帰ってきた時、チョコが優ちゃんの腕の中で寝ててさ。
羨ましいなぁ...って。」
私に話しかけてるけど、目線はチョコに向いていた。
チョコを起こさないようにそっと撫で続けている。
「....?」
つまり....チョコにやきもち妬いてたってこと?!
あー!!!かわいすぎるよ!
「ねぇ、祐也くん。」
「ん?」
顔はこっちを向いてくれない。
「私、幸せだなぁーって。」
「へっ...?」
やっとこっち見た。
「大好きだよ。」
空いてる方の腕を彼の首に回す。
思わず大胆な行動してしまったけど...
恥ずかしい!!!
彼も赤くなっている。
「今日は優ちゃんから誘ってくれたし、こんなことするし....今日は大胆だね?」
ニコッと笑い、触れるくらいのキスをされる。
わわわわ!
「不意打ちすぎる....」
「やだった?」
小首を傾げて彼は問う。
「やじゃない。やじゃないよ。でも恥ずかしい...」
「ふふ、かわいっ♫」




