【番外編①】合鍵
後日彼からおうちに招待された。
帰りが遅くなりそうだから、先に入ってていいよと連絡が来た。
私は合鍵を持ってマンションへたどり着く。
ひさびさに入る彼の部屋。
短い間だったけど、私が住みやすいように整えてくれてたっけ。
思い出すと懐かしくて思わず笑ってしまう。
エレベーターを降りて、彼の部屋の前に立つ。
き、緊張する...!!
合鍵使ったことはあるけど、今は状況が違うもん。
どうしよう、どうしよう!!
とりあえず落ち着かなきゃ!
手のひらに人って書いて飲み込むんだっけ...。
.....ごくん。
あーあー!だめだっ!
し!深呼吸しよう!!
すー...はー...
よ、よし!いざ出陣!!
鍵を開けて部屋に入る。
「お邪魔します...」
電気の付いていない部屋に挨拶する。
「どうぞ?ゆっくりしてってね?」
?!?!?!
どゆこと?!
誰?誰なの?!
びっくりしすぎて声が出ない。
心臓も口から飛び出てきそうなくらいバクバクいってる。
口をパクパクさせていると後ろから笑い声が。
「優ちゃん、面白すぎるでしょ。」
そーっと振り返ると彼がちょうど入ってくるところだった。
「へ?おかえりなさい...?」
頭にぽんと手を置き、彼は「ただいま」と返してくれる。
「こういうの久しぶりだなぁ〜懐かしい!」
「い、いつからいたんですか?!」
「んー?優ちゃんがエレベーター乗り込むところからかなー?」
「うええええ!!」
思わず口に手を当てる。
全部見られてる!
恥ずかしすぎる!
「初めてのとこじゃないのに緊張、してたね?」
「だ、だって、付き合ってから初めてのおうち訪問だし...」
恥ずかしくて彼の顔が見れなくて、うつむきながら言うけど返事が返ってこない。
???
そっと顔を上げると彼は片手で顔を隠しそっぽを向いている。
えええ?!
「ど、したの?」
「嬉しくて...そんなこと考えながら来てくれたんだって。」
「前は私のこと助けてくれたからここにいれたけど、今回は違うもん。
いくら幼馴染って言っても、あの頃よりずっとずーっと祐也くんかっこいいんだもん。
緊張するよ...?」
嬉しそうに彼は微笑んでいる。
「ただの幼馴染じゃなくてよかったのかも。
俺のことまた好きになってくれてありがとう。」
「私、何回でも祐也くんのこと好きになる自信あるよ...?」
ちょっとだけ勇気を出して言ってみるとぎゅっと抱きしめられた。
祐也くんのつけてる爽やかな甘い香りの香水の匂いがする。
「でももう離れたくないなー」
「私もだよ、」
大好きな彼と過ごす時間がもっと増えればいいなとこっそり思った。




