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【番外編①】合鍵
星空の下での告白の後、彼は私に見覚えのあるものを渡してきた。
「はい、どーぞ。」
目をぱちくりしても目の前にあるものは変わらない。
そう。最後にご飯を食べた夜に返した合鍵。
「いいの...?」
恐る恐る鍵から彼の顔へ目線を移す。
彼はへらっと笑っている。
「いいのもなにも渡してんじゃん。
もってて、優ちゃん。」
まさか、また私の元に返ってくるなんてあの時は思えなかった。
初めて合鍵を受け取った時は彼女でもないのに、と複雑な気持ちだったけど、今は違った。
「あ、ありがとう...!!」
精一杯の笑顔で答える。
「俺に会いたくなったら、いつでも来てね。」
「はい...!!」
と返すと彼はむすっとしている。
「返事はー?」
「うん!」
「よろしい。」
にかっと笑って私の手を取る。
付き合うんだから敬語はやめようってさっき約束したのだ。
すぐには慣れないかもしれないけど、頑張らないと!
「もう遅いし、今日は帰ろっか。」
私の手を優しく引いて、彼の車に乗り込んだ。




