5/84
手繋ぎ
エントランスに入り、青年は管理人さんへ挨拶をし、先へ進む。
もちろんまだ手は離していないので、私もひっぱられるようにその後を続く。
エレベーターが到着し、中へ入る。
....が、緊張するよね?!
すごい今更だけど!
ずっと手を握ってくれてる間に緊張って言葉は思いつけるほど私の心は落ち着いていなかった。
エレベーターという密室。
そこでやっと我に返った。
「あ、あの....手....」
青年は振り返り、「え?」と返事をする。
「ここまで来たら迷子にはならないれす...」
うあぁ、噛んじゃった...
穴があったら入りたい....
クスクス笑いながら、青年は答える。
「別に迷子になるとか思ってないから。」
今度は私が「え?」の番だ。
「じゃあ...?」
「知り合いもいないところで、仕事も住むところもなくて不安だったでしょ?」
なんて優しい人だろう。
私はこの青年と会ってから何度この想いを抱いたか。
思わず涙を浮かべてしまう。
「ん?!どうしたの?嫌だった??」
と言いながら、手を繋いでいない手で私の涙を拭ってくれる。
「あ....ありがとうございます...」
「うん」
その「うん」はすごく嬉しそうな返事だった。
1話目で序章って書きながら、青年出てきた時点で序章終わってます....




