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私の彼は  作者: Chiruha
本編
47/84

星空の下で

車を停め、降りた先は高台にある公園だった。

夜だから誰もいない。

コンビニじゃなかったって気づいたのは結構早かったけど(だって街中走ってて普通に通り過ぎてたから)、1秒でも長く彼の運転する助手席に座ってたくて何も聞かなかった。

空を見上げると星空がいつもより近くに感じた。

「わぁ...!!きれい!!」

思わず空へ手を伸ばす。

そんな私をみて彼は笑う。

「ふふ、そうでしょ?お気に入りの場所なんだ。」

「よく...来るんですか?」

「んー...考え事したい時とかあるじゃん?

そーゆー時来るかな。」

「へぇ...」

考え事、どんなことだろう。

私の考えてることが伝わったのか彼は答える。

「仕事とかさ。

ドラマの演技どうやったら、相手に伝わるかなとか。

そーゆー事よ?」

なんでわかるんだろう!

「わ、私って、わかりやすいですか?」

「うん。」

「うぇ?!」

「顔に書いてあるよ〜」

恥ずかしい〜!!

ふぃっと彼から顔をそらす。

「ごめんごめん、つい。」

つい、なんだろう?

「...つい、可愛くてさ。」

目をぱちくりとしても脳内処理が追いつかない。

え、私のこと...?

「だって、女優さんとか可愛い人、美人な人いっぱいいますよね?!」

「まぁ...そだね。

でも、好きな人と憧れる人って違うでしょ?」

「はい....。」

「女優さんとか業界の人は憧れることはあるけど、ほんとに好きなのは優ちゃんだけだよ。」

嬉しい言葉なのに私には引っかかってる事があった。

楽屋では幼馴染のゆうにぃが高杉祐也だったこと、ハグされたことで吹っ飛んでたけど。

泣きそうになるのを我慢する。

手が震えてるから、握りこぶしを作る。

私より背の高い彼の顔を下から覗く。

「私のこと、好きって言ってくれましたけど、幼馴染ってことですよね...。」

「え?ちがっ!」

「だって....!前に共演した女優さんと付き合ってるって...」

彼ははっとした表情になる。

やっぱり、そうだよね。

思い上がってた。

幼馴染ってだけで嬉しいもん。

思わず俯く。

両手の拳にさらに力が入る。

彼のため息が聞こえる。

こんなこと聞いちゃダメだったんだ。

芸能人だもん、バレちゃいけないー

そう考えてると、私の肩に彼が手を置く。

怒られる...!!

「優ちゃん」

呼ばれた声はすごく優しかった。

「...あの週刊誌の記事は、でっち上げだよ。

あれは打ち上げの帰りで、周りにもいっぱいいたよ。

うまく俺らのとこ、切り抜いただけ。」

右手、左手の順番にゆっくりと私の手を彼は開いてくれた。

手のひらには爪の跡。

彼はそっとなでながら続ける。

「それにあの女優さんには彼氏、いるよ?」

手だけかと思ってた震えはおさまった。

彼の言葉は魔法、かな?

「優ちゃん」

また名前を呼ばれる。

「こっちみて?」

私はそっと顔を上げる。

彼は優しく笑い、私の方をみていた。

「怒ってないよ?」

あぁ、なんでこの人はこんなにも優しいんだろう。

昔も、今も。

「むしろあの時言っておけばよかったよね。

ごめんね。」

涙が溢れてくる。

謝らせたいわけじゃなかった。

「ごめんなさいっ...!

私も、変なこと気にしてしまって...。」

そっと涙をぬぐい、彼は私の頭をぽんぽんしてくれる。

「それくらい気にしてくれてたってことでしょ?

ありがとう。」

あぁ、私の中の好きが溢れてくる。

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