夢みたい
目の前で彼が笑う。
またこんな距離で話せるなんて。
幸せすぎる...。
今まで離れていた分を補うかのように、ずっとくっついてた。
トントントン...
「入るわよ?」との声とともに、ここへ連れてきてくれた女性が現れる。
「?!?!」
ノックって返事してから開けるんじゃないの?!
恥ずかしくて、また真っ赤になってしまう。
ぐいぐい押してみるけど、彼は腕を緩めずにイタズラしようとニヤニヤしてる。
「かーわぃ♫」
「うぅぅ...」
彼の腕の中から離脱するのは諦める。
それをみていた女性は大きく、そして深いため息。
「あのねぇ、感動の再開邪魔して悪いんだけどさ、そろそろ終わりにしてくれないと明日もあるんだから。」
「はーい、わかってますよー」
と彼は返事するが、行動が伴っていない。
「だめだめ、今日は解散よっ!
連絡先、交換したいんじゃなかったの?」
「あ!そうだった!優ちゃん、交換しよっ?」
「ええええー!私を登録したら、祐也くんの友達リストのランク下がっちゃいますよ?!」
どんなだよ!と笑いながらつっこむ彼。
女性の顔が険しくなってきたので、焦ってQRコードを出す。
「ど、どうぞ...」
「ありがと。...よし、登録完了!」
「じゃ、じゃあ、また...」
「いやいや、こんな時間だし送ってくよ?」
「いやいや!祐也くんだってライブで疲れてるのに...!!」
「遠慮なさらず!じゃ、また明日!」
「ほんとに送るだけでしょうね...」と女性は冷ややかな視線を送っていた。




