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全国ツアーー祐也sideー
アルバム作成やツアーのためのダンス、歌練習とかハードな日が続いていた。
休憩のときにふとうたた寝しても脳裏に浮かぶ“さゆ”という少女の姿。
あれからもよくその夢をみていた。
そろそろ休憩も終わりかなと目を開けると圭太が俺の顔を覗き込んでいた。
「うわ?!びっくりした...なんだよ?」
「ん?最近疲れた顔してんなって。」
「そりゃ練習とかでー」
と言おうとする俺を遮って、そうじゃないと彼は言う。
「ちゃんと寝れてる?」
熟睡は出来てないけど、寝てるつもりだ。
熟睡できないのはあの夢のせいだと思うけど。
「なんかさ、夢みるんだよね。
小さい頃の夢。
よく分かんないけど、今になって思い出すの。」
「は?どんな夢?」
「小さい頃遊んでた女の子が出てくる夢。」
というと圭太はお腹を抱えて笑い出す。
そんな笑うことねーだろ!とチョップするとごめんごめんと笑いながら言われる。
「だって、それって初恋の彼女とかじゃねーの?」
「え。」
「ん?」
そんなこと考えたこともなかった。
あれが初恋だったのか...?
でもなんで今更思い出す?
もちろんこの夢をみるようになったのは彼女が原因なんだと思うけど。
“さゆ”の本名なんなんだよ。
「おーい!俺のこと忘れて考えこんでない?!」
図星だったのか〜と笑っている圭太はほっておく。
考えもまとまらない間に休憩終了の合図。




