再び洋菓子屋へ
祐也くんの家を出て、新しい生活を始めてはや3ヶ月。
季節は夏になっていた。
あの頃は毎日祐也くんに逢えていて夢のようだったけど、今思うとほんとのことだったか分からなくなる。
もしかしたら、妄想もあるのかも...?
と1人で笑ってしまう。
仕事も落ち着いて、決心した私はあの洋菓子屋さんにも行った。
この日のためにお金貯めといたもんね〜♫
いろんなケーキを選びつつ、焼き菓子のところで止まった。
...いつかこのお店に来たら、あげる約束もしたっけ。
でも、その約束をした私にはもう会う機会がなかった。
守れない約束を思い出しながら、彼のことを思い出すだけで幸せになる。
ピロリン
ケータイの音がなる。
メールが届いていた。
あ。
あ!!
STARS全国ツアーとアルバム発売のお知らせだった。
こんなの買うしかないでしょ〜♫
私のテンションはさらに上がる。
しかも東京を皮切りに...!もうすぐ彼に逢える!!
良い席当たるといいなと、早くも脳内は花畑である。
ケーキとクッキーを買うと、私と同じくらいの女性が包んでくれた。
...この子が桜井優。
同じ名前の子。
あの時会ってたら私は彼女になんて言ってたんだろう。
嫉妬しただろうし、怒ったかもしれない。
でも今は違う。
たくさん優しさをくれた彼のおかげ。
その優しさが私の心に刺さったトゲを抜いてくれた。
ありがと、祐也くん。
家に帰って食べたケーキは前に食べたときよりずっとずっと美味しく感じた。




