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夜ー祐也sideー
仕事がある、と彼女に伝え、今日もソファーでまったりしていた。
ソファーはかなりこだわってあるから、別にここで寝ても翌朝身体が痛くなることはない。
でも女の子にソファーで寝ろと言えるほど俺の心は廃っていなかった。
だから元気になってからもベットを譲っている。
...そんな夜も今日で最後。
今夜限り。
手放しちゃダメだと思いつつ、なぜそんな気持ちにさせられるのかは分からずにいた。
もやもやする。
はっきり分からない今はすごく気持ち悪い。
「はぁ...」
ため息のあと前髪をかきあげる。
くしゅ...
寝室からくしゃみが聴こえてくる。
薄手の布団だから寒かっただろうか。
そっとドアを開け、部屋へ入る。
布団を半分剥いで彼女は寝ていた。
クスッと思わず笑ってしまう。
また熱出るよ?
そっと布団を掛けなおして、リビングへ戻ろうとすると腕を掴まれる。
え?
振り向くが彼女はぐっすり寝ていた。
でもやっぱり俺の腕には彼女の手がしっかりと握られていた。
そっとベットの端へ座る。
ギシッと音がするが、彼女は動かない。
彼女の顔にかかった髪の毛を耳へかける。
寝てる時は不安などなさそうにみえる。
それが妙に安心させた。
「離れないなぁ...」
掴んだ手を離そうとしないため、諦める。
いつのまにか俺は夢の中へと吸い込まれていった。




