最悪ー祐也sideー
朝彼女に「行ってきます」の挨拶をして出かけた。
日に日に彼女の返してくれる「行ってらっしゃい」の声は小さく、寂しそうに聞こえるような気がした。
別に次のとこなんてすぐに決めなくてよかった。
なぜそんなに彼女を守ろうとしているのかは分からない。
でももう1人になっても大丈夫なんだろうかと考えると心配になった。
家に帰ったとき、彼女の目が赤くないと安心した。
彼女は俺に“彼女”がいるのかを聞いてきた。
彼女が俺に対する気持ちは聞いたことはないけど、好意があるんだろうなとは割とすぐ気付いた。
その質問を聞いてきたことで確信に変わっていた。
彼女は明日の朝出て行く。
俺は明日も朝から早く出ないといけない。
つまりゆっくり話せるのは今日の夜が最後だった。
「おい...おい、祐也!!」
と肩を叩いてくる。
思わずビクッと身体を震わせた。
休憩中に明日家を出て行く彼女のことを考えてたから、周りのこと気にしなさすぎたわ。
「いっつもゲームばっかしてんのに考え事なんて珍しいね?」
というのは肩を叩いてきた同じグループの紅圭太だった。
「なんだよー!俺だって考え事くらいするし?」
「どんなこと?」
「やだね、教えない♡」
「じゃあ俺も教えないー!」
「別にいいけど。」
「は?興味持てよ!てか知ってないとまずいだろ?ここ読んでみ?」
と圭太に週刊誌を手渡される。
表紙を見ると今日発売。
.....俺の名前。
ページをめくると2ショット写真が何枚か。
こないだドラマで共演した女優と一緒に写っていた。
この店は確か...
「これ、ドラマの打ち上げで行った店じゃん。」
「ん?じゃあ熱愛報道では」
「ねーに決まってんじゃん!」
圭太が言い終わらないうちに否定する。
てかこの女優さん誰かと付き合ってなかったっけ。
まぁそれはどうでもいいけど...。
「リークとかなかったの?」
「...あぁ。」
それよりも彼女がこの記事を見て誤解してないか気になっていたため、うわの空な返事しかできなかった。
「おーい!....あーぁまた黙っちゃったよ。今日は考える人かよー!」
「....。」
仕事の後事務所に呼び出されて記事について聞かれたけど、ドラマの打ち上げでうまく切り取られたとしか言えなかった。
そんなにおとがめはなかったけど、気をつけるよう言われた気がする。




