仕事なし、つまりニート。
前回とんでもないことに憧れのお店に採用されたけど、間違えて同姓同名の人を雇ったため、私の採用はなしになった。
もうショックすぎて最後の方はなに話ししてたか覚えていない。
はぁ...つまり、私ニート。
前まで働いてた貯金はあるけど、一人暮らしをするなら、なるべく早く次の仕事を見つけないと。
バイトでもいいし!
ポジティブ、ポジティブ!
こんなことで負けちゃいられない。
夕方に引っ越し屋さんのトラックが来る予定になっていたため、アパートへ向かう。
お店からはそんなに離れておらず(働くつもりだったから、近くに借りたのに....あぁ、だめだめポジティブ、ポジティブ!)、迷わずに着いた。
ちょうど引っ越し屋さんのトラックもアパート前に止まっている。
アパートの前にいるのは大家さんであろうか?
60過ぎの女の人が引っ越し屋さんの人と話ししている。
私はかけよって
「遅くなってすみません!桜井優といいます。今日からよろしくお願いします!」
と簡単であるが、挨拶する。
がしかし、おば様見覚えのある困り顔....
「んー...今、ちょうどその話ししてたんだけどね。桜井優さんって人が入居していて、もう空き部屋がないのよ。まさか2人も同じ名前の人がくるなんて思わなかったし、仲介業者が間違えたと今まで思ってたのよね。
どうしようかしらねぇ〜」
開いた口が塞がらないとはこのことである。
なぜ私と同姓同名の彼女は同じところで働きたくて、同じところに住みたかったのか....
「あ、あのー、その桜井優さんって今ご在宅でしょうか...?」
ダメ元で聞いてみる。
会ってみて何するの?って聞かれても困るんだけど。するとおば様
「ごめんなさいね、あの人忙しいみたいで夜遅くにしか帰ってこないみたいなのよ〜」
て、簡単には会えないですよねー....
「すみません、そうですよね....。とりあえずホテル探そうかな....あ、引っ越しの荷物どうしよう...」
引っ越し屋さんの人も困り顔。ホテルに運んでもらうにしては量があるしな....
「少しの期間預かってもらうことってできませんでしょうか....?」
「んー....今回のは異例すぎるからなぁ....無理っていっても、この荷物どうしようもないだろ?1週間預かってあげるよ。それまでにこれからどうするか決めな。」
なんと優しい!都会に出てきて初めての優しさ!
人情溢れる方に出会えてよかった!
私は思いつく限りのお礼を伝え、好意に甘えさせていただくことにした。




