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私の彼は  作者: Chiruha
本編
18/84

大好きな意味

そっと涙を拭いてくれる手が優しくて。

たくさんの言葉で私を癒してくれる。

テレビや雑誌で追いかける彼も大好きだけど、こういう面があると知ってもっと大好きになった。

でもこの好きは恋愛とはちがくて。

ファンとしての好きが高まっているんだと自分に言い聞かせていた。


....だって、そうでも思わないと緊張して話せない。

いや、ファンとしてでももうドキドキしっぱなしなんだけどさ!


別に恋でもいいのかもしれない。

恋人がいるかもわからないけど、彼は芸能人だ。

周りにかわいい人や綺麗な人はたくさん、たくさんいる。

私なんて目にとまるはずがないのに。

話しかけてくれて。

拾ってくれた。

優しい励ましの言葉も。

1人で心細い気持ちも分かってくれる。

ーもう十分すぎる。

これ以上は私がパンクしてしまう。


のに!

なんなのだろうか!この状況!

私はベットに寝かされ、そばに椅子を持ってきた彼は私の手を握ってくれている。

さっきより熱が上がっている気しかしない!


「あのー...ほんとにうつっちゃいますから...私のことはほっといてもらって大丈夫です...」

「ん?でも知恵熱なんでしょ?さっき言ってたじゃん。そしたらうつんないよ?」

たしかに物思いにふける前にそんなことを言った気がする。

「風邪じゃなくても風邪のせいもあるかもしれません〜!!」

ハハッと彼は笑っている。

「でも心細いんでしょ?....あー」

ん?なんだろう??

「なにかありましたでしょうか...?お仕事」

「じゃない(笑)名前聞いてなかったなって。」

熱でぼーっとする頭がさらに沸騰する。

「ももももも申し訳ないですっ!!私名前言ってません!」

「謝らなくていいんだけどさ。聞きそびれちゃってたね。」

「桜井優です...」

自己紹介もできないとは。

穴があったら入りたい(本日だと1回目)。

ないので布団頭までかぶる。

「桜井さんね。ほんとさっき言ったけど、迷惑だと思ってないからさ。

次の仕事決まって、住むとこ決まるまでここにいていいから。」

「だって、お仕事大変ですよね...?」

目だけだして尋ねると頭をなでてくれる。

「大丈夫だから。でも収録とか押しちゃうと早く帰れない日もあるから、先寝てていいからね?」

「そんな!申し訳なさすぎます!」

いたせりつくせり過ぎる。

「んー、じゃあ気が向いた時またご飯作ってよ。

あんま自炊しないから、誰かに作ってもらえると嬉しいかな。」

握っている手に力を込める。

「美味しいかわかりませんが、私の料理でよければ毎日作ります〜!!」

彼はニコッと微笑み、「無理しないでいいよ」と答えてくれた。

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