計画成功なるか?!
ガチャ...と音がして彼が帰ってきた。
ここから計画通りに動くぞ!
がんばれ、自分!
私は急いで玄関へ行く。
「おかえりなさい!」
同棲してるような気分になり照れてしまったが、笑顔で挨拶した。
彼は目を丸くさせたが、やや俯き加減に「ただいま」と返してくれた。
ちょっと後悔である。
照れて笑おうとするから変な顔になってしまったに違いない...。
これが最後なのに...、いや、なんのその!
「泊めてもらったお礼にご飯を作ったんですが、夜ご飯は食べましたか...?」
「いや...まだ食べてないよ?ありがと。気使ってくれて。」
もうアイドルスマイルである。
きゃー!!と黄色い歓声を上げたい気持ちを抑えて、テーブルに温め直した焼肉と味噌汁、ご飯を並べた。
彼は部屋着に着替えた後リビングに現れる。
「お口に合うか分かりませんが、どうぞ...!!」
「いただきます。...あーやばいな、これ。美味しいよ。」
うぅ....嘘でも嬉しい。
思わず後ろを向いてガッツポーズ!
そんな様子をみてクスクス彼は笑っていた。
ー綺麗に平らげてくれた。
私のお礼も終わり。
「食べてくださってありがとうございました。」
「いやいや、こちらこそありがとね。今日はロケだったから、腹ペコだったのよ。」
「またお仕事見つけて、初任給もらったらもっと豪華なお礼をしに来ます!」
「豪華って(笑)もう十分よ?」
「いやいや、こんな私を拾ってくれる人なんて高杉さんしかいません!本当にありがとうございました。」
「どういたしまして。」
と言いながらも彼はまだ笑っている。
「...お礼ができてよかったです。お忙しいと思いますが、これからも応援してます!」
「なんか最後の別れみたいになってるけど、また豪華な?お礼してくれるんでしょ?」
「はい〜!!」
「しかもこれからもってことは今までも応援してくれてたり?」
覗き込むようにこちらを見ている。かっこいい。
「は、はい〜!!」
だ、だめだ。このままじゃ言えない!
「で!でも!これ以上お世話にはなれないので、お暇します...!!」
「ん?」
彼は不思議そうに傾げる。かっこいい。
「短い間でしたが一生この恩は忘れません!いままでありがとうござー」
最後まで言い終わらないうちに腕を掴まれる。
「待ってー。どゆこと?出て行ってあてあるの?」
掴まれたところが熱を帯びる。
「あ、ホテルに泊まろうと思って。」
「いや....お金大変でしょ?て...そんなことより熱くない?」
「ふぇ?まだ春なので暑くありませんよ?夜は寒いくらいです。」
「いやいや、気温の話じゃなくて。....君、熱くない?熱ある?」
...は!!気づかれた!!離れないと!!
ぐいぐいひっぱるけど、掴まれた腕は外れない。
「は、離してください...!!うつります...!!」
「なんで平気そうにしてるのさ。そこ座って。」
首に手を当てて私の体温を測る彼。
「んーだいぶあるな。ちょっと待ってて。」
引き出しから体温計を持ってきて手渡される。
「ね、測って。」
「....はい。」




