ウーサーメイジョアーの塔第一階層 2
しばらく更新が止まって申し訳ありませんでした。
Wi-Fiが止まっていて接続できず、ケータイなどでの執筆では時間がかかりすぎました。
現在は復活し、更新を再開します。
これからもよろしくお願いします。
第一階層の攻略は順調だった。というのも、見晴らしがよく、迷うということがないためだったが。
「すごいね。塔を外から見た時、中にこんなに空間あるようには見えなかったけど。」
「塔は、神が作られたものですからね。本来の常識が通じる場所ではありません。例えば、この空。ここは上階が30はある建造物です。にもかかわらず、太陽と青い空が見えております。それに、この塔の壁、おそらく破壊は不可能です。過去に、Sランクの探索者が極大魔術にて、壁の破壊を試みたことがあるようですが、傷一つつかなかったとのことです。」
ユーナの説明に、美湖は驚きを通り越して呆れていた。極大魔術とは、美湖やユーナも使う属性魔法の上から2番目の名称で、1発撃つだけで、ラティアの街くらいの大きさの町ならば消し飛ばすくらいの威力がある、まさに殲滅魔法である。さらに上の魔法には、神級魔術という名がつけられている。この神級魔術を会得できた人族はおらず、かつて、魔族が使用したようだった。
「うぅわ...。それは、ありえんわ。うん、空間の歪みくらいは不思議でもないね。そういえば、塔で回収したアイテムって、外の物より質がいいんだよね?」
「そうですね。魔物の素材や、その他素材などは、良質なものとなり、食材などはよりおいしくなるらしいですよ。」
ユーナはそういって、近くに生えていた草を持ってくる。美湖は的に対して鑑定スキルを使用する。
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マナミント(塔)
塔にて産出されたマナミント。基本的な性質は通常のマナミントと同じだが、作成されるポーションはランクが1上がる。
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となっていた。
「なるほどね。なら、いっぱい集めて帰ろうか。あとは、やっぱり宝箱みたいなものってないのかな?」
「?宝箱ですか?草原型の階層ではほとんど現れませんね。ほとんどは洞窟型の階層か、火山型などに多いようですよ。」
美湖は、ユーナの持ってきてくれたマナミントを封じ札に納める。階層を探索しながらほかにも、ライフミントや、ポイズミール、リトルハーブなどの、植物系の素材を回収していく。
「お、あれは初めて見る魔物だね。蜂みたいだけど。」
美湖が、数本木が生えている場所を調べていると、人の子供位の蜂が5匹飛んでいるのが見えた。30mくらい距離があり、美湖には気づいていないようだった。
(どうしよ。試しに鑑定かけてみよっか。)
美湖は、距離があるため不安だったが鑑定スキルを発動した。すると、
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ジャイアントビー
レベル 4
HP 30/30
ST 20/20
MP 0/0
AT 30
DF 10
MA 20
MD 10
SP 60
IN 30
DX 50
MI 0
LU 50
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ジャイアントビー
レベル 5
HP 40/40
ST 25/25
MP 0/0
AT 35
DF 17
MA 18
MD 20
SP 70
IN 45
DX 20
MI 10
LU 80
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ジャイアントビー
レベル 4
HP 20/20
ST 20/20
MP 0/0
AT 18
DF 12
MA 10
MD 8
SP 40
IN 20
DX 60
MI 11
LU 10
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ジャイアントビー
レベル 10
HP 80/80
ST 50/50
MP 0/0
AT 60
DF 40
MA 20
MD 30
SP 90
IN 70
DX 60
MI 30
LU 40
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ジャイアントビー
レベル 8
HP 50/50
ST 30/30
MP 0/0
AT 60
DF 10
MA 50
MD 10
SP 60
IN 30
DX 50
MI 10
LU 70
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と出た。
「おお、この距離でも見れるんだ。鑑定スキル便利だね。ユーナちゃんも近くにいないし、僕だけでやっちゃおう。」
美湖はまず、氷魔法のひとつ『アイスバレット』を発動する。すると、美湖の周囲に5つの氷の球が生成される。美湖はそれを発射する。
「いっけぇぇ!!」
美湖により放たれた氷の球は、銃弾のように早く飛んでいく。また、美湖が軌道を魔力で微調整しているため、ジャイアントビーが避けようとしても追尾し、全弾命中した。ジャイアントビーたちは、その勢いにより爆散してしまった。
「...あ、やりすぎた...」
その結果を見て、美湖は乾いた笑い声をあげた。
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「ご主人様。時間的に、そろそろ帰らないと、町の門が閉まってしまいます。」
ジャイアントビーを殲滅した後、ユーナと合流し、第一階層を探索していたが、特にめぼしい成果はなかった。
「そうだね。塔の感触もつかめたし、今日の目的は達成したって感じだしね。じゃ、帰ろうか。」
美湖も、ユーナの意見にうなずき、今倒したばかりのゴブリンの魔石とドロップアイテムを封じ札に封じ、塔の入り口に向かって歩き出す。周囲を軽く警戒しつつ歩いていると、新しい魔物が現れた。高さが3mくらいはある、脚の生えた人型の木の魔物だった。美湖はすかさず鑑定スキルを発動する。
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ミドルトレント
レベル 10
HP 240/240
ST 80/80
MP 60/60
AT 100
DF 200
MA 60
MD 80
SP 30
IN 200
DX 60
MI 70
LU 90
スキル
成長促進(―)
ライフドレイン(10/60)
土魔法(10/20)
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「おお、今日の締めにはいい相手だよ、ユーナちゃん。」
美湖は、鑑定スキルの結果を見て、剣を抜き、ユーナにも戦闘準備を促す。それを見た彼女は、
「わかりました。では、私が敵をかく乱しますので、ご主人様は遊撃で動いてください。」
そう言うと、赤銅の短剣とファングククリを抜き、ミドルトレントに向かった走り出した。ミドルトレントは、ユーナの接近に気が付くと、ゆっくりとだがその大きな足を上げて、大きく踏みつけた。すると、衝撃の振動がユーナを襲い、彼女の接近が阻まれてしまう。さらに、ミドルトレントは、ユーナがい付いたところに殴り攻撃を繰り出す。ユーナはそれらをかわしていくが、一発一発の衝撃が地面を伝い、彼女の動きを阻む。
「っく、これではこいつの動きを抑えられない。ご主人様に攻撃が向いてしまう。」
ユーナは、ミドルトレントから距離を取ると、手を前に突き出し闇魔法の一つ、『ダークボール』を生成する。すると、ユーナの手の周りに、5個の黒い球が現れる。
「いけ!『ダークボール』!」
ユーナの掛け声で、ダークボールはミドルトレントめがけて飛んでいく。ミドルトレントに命中したダークボールは、その場で爆ぜ、ミドルトレントの外皮を吹き飛ばした。
「グォォォォォ!?」
いきなり大きなダメージを受けて、ミドルトレントはユーナのほうに振り返る。ユーナは自分の姿を視認させると、再びかく乱するために動き出した。
「おお、ユーナちゃん、すごい。遠近ともに使い分けてる。って、僕も見とれてちゃいけないね。」
美湖は、ユーナが作ってくれた隙を狙い、ミドルトレントに斬りかかっていく。美湖が足や、背中を切り付けると、ミドルトレントは美湖に向き直ろうとするが、そのたびに、ユーナが斬撃や魔法により、注意を自分に集中させる。そしてできたすきに、美湖が遊撃で攻撃する。
「ユーナちゃん、いい感じ!一緒に戦ってるって気がする。」
「私もですご主人様。すごく楽しいです!」
二人は終始笑顔で、本当に楽しそうにミドルトレントを倒したのだった。
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「はい、ご主人様。ミドルトレントから落ちたアイテムです。」
ミドルトレント討伐後、ユーナがドロップしたアイテムを回収してくれた。美湖はそれをそれぞれ封じ札に封じていく。
「よし、これでOKっと。さ、今日はほんとに帰ろうか。最後に締めの魔物討伐もできたし、初探索としては上出来じゃないかな。」
封じ札をカードケースにしまうと、ユーナを促し塔を後にした。
二人が塔を出ると、すでに日が傾いていた。塔の入り口に立っている係員が声をかけてきて、
「あ、そこのお二人。そろそろ町に戻らないと町の門が閉まってしまいます。これから私も馬車で街に戻るのですが、よければどうですか?乗っていきませんか?」
係員の申し出に、二人は二つ返事でOKし、馬車にのせてもらった。その代わり、道中で魔物や盗賊の類が出たら対処してほしい、それが馬車に乗る条件だった
ゆっくりだが、馬車が町までの道のりを進んでいく。どうやら、この馬車はクラン直属の荷馬車で、門の門限を過ぎても街に入ることができるらしい。美湖たちのことも、道中の警護を買って出てくれたと口添えしてくれるとのことだ。
「おお、お二人は今日が塔への初挑戦だったと。それは、今後が期待できますな。」
「いえいえ、ですが、塔はすごいですね。外からは古びた建造物のように見えるのに、内部はまるで別世界のようになっていて。僕、しばらくの間見とれてしまいましたよ。」
「そうでしょうとも。なんせあの塔は、神々が作られたとされる古代の遺物ですからな。そのようなものが、生まれた町の近くにある。それだけで、何やら得した気分になりまして、そこで働くというのが小さいころからの夢でございました。今では、夢もかない、毎日楽しく過ごさせていただいております。」
係員は、馬車にゆられながら、あれやこれやと話題を振ってくる。しかも、美湖に対して邪な視線をおくらないので、美湖も気を抜いて、リラックスしながら短い馬車の旅を楽しんでいる。
「そういえば、今日はミドルトレントという魔物と遭遇しましてね。初めて見た魔物ですが、なかなかに手ごたえのある魔物で、初挑戦にしては、いい経験ができたと思います。」
「は?ミドルトレント?失礼ですが、お二人は、今日は10階層まで登られたのですか?」
美湖がミドルトレントのことを口にした途端、係員の表情が険しくなった。
「いえ、今日は1階層だけですよ。どのような場所か小手調べという気持ちでしたから。あの、何かおかしなことでもありましたか?」
美湖が係員に問いかける。
「はい、少々驚きました。ミドルトレントは、本来10階層以上の階層でしか出現しないはずなんです。そもそも、よくお二人で討伐できましたね。本来、ミドルトレントのような大型の魔物は、もっと大勢で討伐するような魔物ですよ。」
「?でも、この間戦ったゴブリンキングのほうがもっと手ごわかったですよ。ねぇ、ユーナちゃん。」
係員の言葉に、美湖はゴブリンスタンピートで戦ったゴブリンキングの話を持ち出した。そして、ジェネラルと戦ったユーナも、それにうなずいている。
「んなっ!?もしやお二人は、ゴザの村の危機を救った新人だったんですか?」
ゴブリンスタンピートのことは、登録した手の二人が壊滅させたとして、かなり話題になった。しかも、二人があまり公にされたくないと、アリアとアヤメに伝えていたため、美湖とユーナが壊滅させたという事実はあまり知られていない。係員が知らなかったのも当然だった。
「あー、締まった、口が滑っちゃった。そうですよ。僕たち二人です。でも、あまり知られたくないんで黙っててくださいね。」
美湖が少し凄みを聞かせると、係員は冷や汗を流しながら、その言葉にうなずくのだった。




