Flag4―血と汗と涙の魔術学院―(7)
俺がそう言うとガタイのデカイ男とほっそりした男は声を荒げて反論してきた。
「はあ? 絡んでねぇし!」
「そうだ! お茶に誘ってただけだしぃ!」
「グフェフェ……」
……ああ、やっぱり馬鹿だ……この人達。
「三人で一人の女の子をお茶に?」
「そ、そうだ!」
ほっそりした男が反応する。
「全然そんな雰囲気には見えなかったし、そもそもしつこいから絡んでる様にしか見えませんでしたよ?」
「……クソッが! 嘗めやがって……」
ガタイのデカイ男がそう言うと男達が一斉に魔力を纏い出したのがわかった。魔力付加だろうか……?
しかしコーチやショウシと戦った時に見た様な安定性を魔力に感じない。
「先輩様を馬鹿にしたこと後悔させてやるぜ!」
「調子に乗るなよ一年坊主がっ!」
「ゲヘヘッ……!」
そう言って一斉に飛びかかって来たが予想通りの動きだったので冷静に対処する。
「〝ランド〟」
目の前に土の壁を造り出す。
急に現れた土の壁に対処出来無かった男達はその勢いのまま土の壁に突っ込んで鈍い音を響かせた。
「うぐぁっ!」
「がっ!?」
「あべしっ!!」
どうやら男達は上手く気絶してくれた様で全く動かない。……痛そうだったな。
「見事でしたね!」
「中々やるね!」
そう言ってルーナ達が駆け寄ってくる。見てたのなら一緒に助けて欲しかった……。もし向こうが油断せずに本気で来ていたら多分俺は勝てなかっただろうし。
「ところでツカサ、何でこの子を助けたんだ?」
コーチに言われて助けた女の子を見る……やっぱり見れば見るほど來依菜にそっくりだ。
すると助けた女の子は俺の方に向いて無表情でじっと見てきた。
「…………」
「えっと……何?」
「……どうして……助けたの?」
そう言って不思議そうに首を傾ける女の子。
流石に妹に似てたと言うのは相手に失礼な気もする……ので、ここは悪いが質問で返させて貰おう。
「えっと……迷惑だった?」
すると女の子は頭をふるふると横に振って答える。
「只、気になっただけ……」
「何で?」
俺はそう女の子に質問したが、その質問に対して答えたのはルーナだった。
「そこは私が説明します。この子はノスリ=アビエスちゃん、メイサ=アビエス様のお孫さんです」
「へー…………メイサ=アビエスって誰?」
「七英雄の一人だよ!? 知らないの!?」
レディが信じられないと言った風の表情を浮かべる。そう言えばここじゃ七英雄は一般常識レベルだったな。お願いだからそんな顔しないで……。
「う、うん。まあ……」
「えっと……つまりはこの子はこの学院の有名人でもあって凄く強いんです!」
俺の事情を知っているルーナは無理矢理誤魔化しにかかる。ありがとう。
「へーそうなんだあ……」
そもそも七英雄の事自体殆ど知らない俺が名前だけ聞いてもわかる筈無いんだけれど。
「ツカサ、やっぱりお前変な奴だな……」
「変態に言わ「……どうして……助けたの?」
そう言って不思議そうに首を傾ける女の子。
流石に妹に似てたと言うのは相手に失礼な気もする……ので、ここは悪いが質問で返させて貰おう。
「えっと……迷惑だった?」
すると女の子は頭をふるふると横に振って答える。
「只、気になっただけ……」
「何で?」
俺はそう女の子に質問したが、その質問に対して答えたのはルーナだった。
「そこは私が説明します。この子はノスリ=アビエスちゃん、メイサ=アビエス様のお孫さんです」
「へー…………メイサ=アビエスって誰?」
「七英雄の一人だよ!? 知らないの!?」
レディが信じられないと言った風の表情を浮かべる。そう言えばここじゃ七英雄は一般常識レベルだったな。お願いだからそんな顔しないで……。
「う、うん。まあ……」
「えっと……つまりはこの子はこの学院の有名人でもあって凄く強いんです!」
俺の事情を知っているルーナは無理矢理誤魔化しにかかる。ありがとう。
「へーそうなんだあ……」
そもそも七英雄の事自体殆ど知らない俺が名前だけ聞いてもわかる筈無いんだけれど。
「ツカサ、やっぱりお前変な奴だな……」
「変態に言われたくない」
「俺は変態なんかじゃねえ! 生粋のジェントルメンっだっ!! それに変態はあんな奴を指すんだよ!」
そう言ってコーチはレディを指差す。
「失礼だなぁ! コーチ君がジェントルメンならボクはいわゆる淑女だよ! ……はっ! 今コーチ君が攻めにっ……!」
「おい、コーチ。お前のせいでまたレディが暴走し始めたじゃね……えか?」
コーチを見るとコーチは暴走(妄想)状態で周りが見えなくなっているレディのスカートの中をバレない様にゆっくりと地面にへばりつきながら覗き込もうとしていた。どう考えても変態はお前だ。
「チャンス! 圧倒的! チャンス!」
「くぅー素晴らし――ぶはっ!」
結婚すれば良いんじゃないかな、この人達。
「…………」
俺はとりあえずコーチを動かなくなるまで蹴り飛ばした後、鼻血を出している人も一緒に放置して、気になった事をルーナ達に聞くことにした。
「なあ、ルーナとアビエスさんって――」
「ノスリで良い……」
「ノスリさんは――」
「ノスリ……」
「お、おう……ノスリとは知り合いなのか?」
コーチとレディはよく目立っていたり知り合いが多かったりするので自然だが、ルーナは少し大人しいので知り合いだった事について少し気になった。
「そうですね……親が知り合いだったので小さい頃はよく会っていたんですよ」
「へー……そうなんだ」
俺達とつむじみたいな幼馴染みって事か。
「でもなんで小さい頃だけなんだ?」
「あっ……えっとそれは……」
するとルーナ一瞬ハッとした後、ノスリを見ながら少し顔をしかめた。聞かない方が良かったかな……。
「ルーナは気にしないで良い……」
「ごめんなさい……ノスリちゃん」
「……無理に言わなくて良いぞ?」
「大丈夫……ただ単に親はもうこの世に居ないってだけだから……」
普通に話重くないですか? 全然大丈夫じゃないと思うのですが。
「……どうしたの?」
首を傾げ不思議そうな顔をするノスリ。小動物みたいだ……益々來依菜に似ている。けれど、今はそんな事よりもこの微妙に重たくなった空気をどうにかしよう。
「なあ、ノスリ。今から学食行くんだけど、俺達と一緒に行かないか?」
「ん……行く」
「そっか! じゃあ行くか」
そう言って俺達三人は歩き出す。
「ちょっと待てお前達!」
「そうだよ! ボク達を忘れられたら困るよ!!」
そんな叫び声が聞こえたので振り向くとそこには軽くボロ雑巾みたいになってフラフラしているコーチと足元に血溜まりを複製しながらフラフラしているレディが居た。お前ら仲良いな。




