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3.外の世界

始めの発作が出てから一ヶ月間、ショックで私は真っ黒になった世界を見ていた。

その時は何が正しいとか間違いとか 区別がつかなくなるぐらい本当に何も考える事が出来なかったし、

世界のほとんどの色を失ってしまったのを覚えてる。


「このままじゃいけない」


私はiPhoneを持ち出すと、

外の世界に綺麗なものを見つけに行こうと思った。


その日はパニックを経験した後初めて 好きな目的を持って外に出た日。




日没前、人気の少ない時間を選んで、夕日で照らされた散歩道を歩いて行く。

きょろきょろしながら歩いたり、立ち止まったりして綺麗な夕日を写真に収めていく。


「自分はこんな時に何してるんだろう」


しばらくして私は道脇にある草むらの石段になっているところで寝転がった。


周りには誰もいない。

心地良い風が草花を揺らして吹き抜けていく。

一匹の蟻が体に登ってきた。

遠くからはぐれた管弦楽器の演奏が聞こえた。

iPhoneから音楽を流しても誰も気にする人なんていない。

肌寒くなってきた。

私はきっと変な人だろう。


「私が恐れていたのは多分、こんな外の世界じゃない」


街灯の明かりが付き始める街を見ながら、少し安心するように思った。


--------------------------------------------------------------------------------


もし パニック障害のあなたが一生生活していくに困らないお金を持っていて、

パニック障害を無視する気でこの先 生活していけるなら

外に出ずとも生きていくことは可能かもしれない。


でもそれは現実的なことじゃない。


あなたも現実的じゃないと感じたなら、


それはあなたも外に出るときがやってきたということ。




私は最初 繰り返し起こる発作の原因が分からず、外に出ることすら恐れていた。


「次起こったらどうしよう」「人にそんな状態を見られたくない」と

人との関わりをも避けていた。


でも それじゃ生きていけなかった。


あなたが過去の私と同じなら

「もう一度正しい外の世界を知ろう」




太陽の輝き、日光は強いエネルギーを含んでいる。

それは植物の成長に欠かせないほどに。


人間にとっても、決まった時間に光を浴びることで自律神経の働きを安定させる効果がある。

あなたが今真っ黒な世界にいるなら、まず光を浴びよう。



あなたが玄関の扉を開けると、視界の上の方には空が映るはず。


「空はいつでも平等」


辛い時は空を見よう。空が私たちを受け入れてくれる。



視界の下の方に映るのは、

地面、自然、人工物(建物・乗り物)、小動物 そして人間


その中であなたが恐れているのは多分、

「人工物と人間 それだけ」


たとえ 人の姿が見当たらない原っぱにあなたが一人でいたとしても、

蟻100匹の視線があなたに向いたとしても、

パニックが起こることは多分ない。


「自然はあなたのパニックに対して否定したりしないこと」

「あなたが本当に恐れていたのは外の世界じゃないこと」


歩き続けよう。


これら繰り返しの行動はゆっくりでも構わない。

途中で失敗しても構わない。


少しずつでも過去の色を取り戻すために

外の世界に自分の好きなことを探しに行こう。




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