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第一話「異世界英雄召喚」

初投稿です。

至らぬ所も多々ありますが暖かい目で見たくだされ。

魔族が売る品物を人間が少しでも値切ろうと交渉をしている。エルフがドワーフと楽しそうに食事をしている。獣人が見世物としてナイフ投げをしてそれを精霊が楽しそうに見ている。他にも多種多様な種族が仲良く日常を送っている。

なんとも平和な光景ではないか。

私がこの平和を作ったと思うととても感慨深いものだ・・・


私の名前はロマ。魔王ロマだ。

赤い瞳に白銀の頭髪、頭には2本の金色に輝く自慢の角が生えている。

特殊な能力を身に付け生まれた魔族でその能力を駆使して自分が住む魔国のみならず人間国、獣人国をも手中に収めた。そしてそれだけでなく国を持たぬエルフやドワーフ等の種族も屈服させこの大陸を平定することに成功。

種族による差別や身分による理不尽のない国、「アヴァロニア」を建国した。


この大陸がどれだけ長い歴史を持つかは知らないが歴史上初の大陸全土を掌握したことによって人々には「大魔王ロマ」や「超越者ロマ」などと大層な呼び方をされている。

敬意を込めてそのような大層な呼び方をしてくれるのは嬉しく思うが正直なところ大げさに感じるところもあるので偉そうかつそこまで大げさに感じない「魔王ロマ」を公式の名にしている。

特段地位や名誉に拘っているわけでもないのでこれくらいが丁度いいのだ。


「大陸を平定するのに10年、平定して皆が安心して暮らせるようにするのに15年・・・永き時を生きる魔族の身でありながら短い期間でこれだけの事を成し遂げたのだからこれからはゆっくりと楽しみながら生きていきたいな・・・」


そんな短命種の年寄りじみた事を呟き、王城から平和な光景を眺めていると突然周囲に魔方陣が浮かび出し、青白い光が身を包んだ。


「なっ!この魔法は・・・別の世界からの強制転移!?」


突然の事態に私は何もできないまま強制転移の魔法により「アヴァロニア」からその身を消すこととなる。

誰がこんなことをしたのかわからないがくだらない理由だったらタダじゃおかないぞ・・・






魔族を統べる魔王が現れ早2年、私の住むシュバリッヒ王国は段々活力が失われていきました。シュバリッヒ王国だけでなく、他国の情勢も悪化していると話には聞いています。

その原因は魔族の脅威によるもの。私は実際に見たことがありませんが噂では魔族は人間の生き血を啜り、肉を貪り、戯れで殺すというとても残虐な種族と聞きます。

一体一体が大きな力を持つので危険ではありましたが魔族の性質からか協調性がなく、テリトリーである魔大陸で魔族同士が争っている事が多くあまり人間の前には現れないこともあり対処はできていました。

しかし、突如現れた魔王と呼ばれる存在が協調性のない魔族達を従わせメリスタッド大陸を支配せんと行動を始めたらしいのです。既に陥落した国も出てきているという話もあります。


そんな情勢の中、偶然王国周辺の遺跡から一冊の魔導書が見つかりました。

魔導書『異世界英雄召喚』

こことは異なる世界から偉業を成し遂げた英雄を連れてくるという信じがたい効果の魔法。

1度きりの使い捨てで尚且つ膨大な魔力を必要とする故に使用者は限られますが、幸いなことにシュバリッヒ王国の王女として生まれた私、シャルロット・エルロイ・シュバリッヒには他の者より多くの魔力を持っているので使うことができました。

詳しいことがわかっていないので危険ではありますが、王家の人間として生まれた以上、私には王国の事を考える義務があります。

それに王国だけではありません。大陸においても希望が、常識を打ち破る大きな希望が必要なのです。


「姫様、触媒をお持ちいたしました」

「ありがとうカタリナ、あとは私が魔力を込めれば準備完了ね」

「・・・姫様、私は今回のこと、未だに不安でなりません」

「カタリナ、このことに関しては何度も話し合ったでしょ? 今の状況を変えるには危険を冒してでもなんらかの行動をとる必要があるの・・・まあ、もし危険な存在が出てきたとしたら貴方がなんとかしてくれると信じてるわよ?」

「その際は私が命に代えてもお守りいたします」


王城地下にある一室で私は最後の準備を終えました。周囲には私の専属騎士、カタリナ・アルゴンと数名の騎士と魔術師。

ただでさえ不明な点が多い魔法ですし、どのような人間が召還されるかもわかりません。

だからこそ、もしもの事態も考えて戦力となる人達を用意しておくことを条件にお父様に今回のことを許可してもらいました。

まあ、専属騎士のカタリナ女性でありながら王国内でも屈指の実力を持っているのであまり心配はしていないのですけどね。


「それでは始めます・・・『異なる世界に御座します偉大な英雄よ、我が祈りを聞き届け賜え。異世界英雄召喚』」


呪文を唱えると大量の魔力が触媒を通して魔方陣に流れていくのを感じます。

魔力が流れるのを感じながら魔方陣を見守っていると不意に大きな光を放ちました。

思わず目をつぶり光が収まったのを感じ、目を開けると誰もいなかったはずの魔方陣には男が立っていました。赤い瞳に白銀の髪、頭の左右には金色の大きな角が生えていて黒衣を纏った男が。


「強制転移なんてふざけた事をしてくれたのはお前か、人間の女よ」

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