四季の匂い
巨大ナイトレジャーグループの跡取りでありながら、親の愛を知らず、お荷物店の風俗店だけが居場所の少年、藤木直樹(15)。
太陽のような笑顔の裏で、家族を養うため過去の傷と年齢を偽り、夜の世界に足を踏み入れた少女、石本絢子(15)。
出会いは、直樹が経営を任される古びた店での面接。
しかし、その最悪の出会いは高校の入学式で「運命の悪戯」に変わる。面接官と応募者だった二人は、同じ教室のクラスメイトとして再会してしまったのだ。
店の経営者代理と従業員、そして同級生。
決して交わってはいけない二つの世界で、二人は秘密を共有する「共犯者」となる。似た境遇に惹かれ合い、互いを尊敬する絆は、やがて夜の掟も未成年というタブーも越えた、禁断の愛へと変わっていく。
だが、その愛はあまりにも純粋で、脆すぎた。
嫉妬と不安が二人を蝕み、互いを守るために選んだ苦渋の決断が、取り返しのつかない悲劇を引き起こす。彼が気づけなかった絢子の悲鳴。残酷な冬の夜、太陽は永遠に光を失った。
全てを失った直樹の心に残ったのは、後悔と、彼女と過ごした季節の「匂い」だけだった。
出会いの金木犀、秘密を重ねた夏の雨、別れの枯れ葉…。
そして、絶望の淵で彼が気づく、彼女からの最後のメッセージとは。
これは、匂いに宿る記憶と魂を描いた、痛いほどに切ないラブストーリー。
第1章 金木犀と面接官
2025/10/14 02:31
(改)
第二章 桜吹雪と運命の悪戯
2025/10/14 02:59
(改)
第三章 二つの顔を持つ女
2025/10/15 21:58
(改)
第四章 俺の居場所、君の覚悟
2025/10/15 22:17
第五章 共犯者達の夏
2025/10/16 00:35
第六章 表裏一体の愛と罪
2025/10/16 00:39
第七章 禁忌の理を超えて
2025/10/16 00:42
(改)
第八章 罪の影と救いの愛
2025/10/16 00:54
第九章 急転
2025/10/16 01:01
(改)
第10章 蝕まれる心と偽りの平穏
2025/10/19 01:36
第11章 代償
2025/10/19 01:48
(改)
第12章 緋色の雪
2025/10/19 01:50
(改)
お前のいる匂い
2025/10/19 02:02