雲海三界誌俗語語彙注釈
雲海三界誌俗語語彙注釈
(本冊は旅学者レナード編纂、血萃教会検定許可済み)
1. 巨人
形態:雲海を貫く銀軀。表皮は灰岩の如く、百腕は再生す。
俗認:三界の支柱。聖血の源。腿部の剥落岩は浮空大陸の建材。
2. 天使
形態:雲海上層に現れる光影。金翼あり、目は星屑の如し。
俗認:神の御使い。雲海の均衡を護る。採血隊のみが稀に遭遇。
4. 浮空陸群
位置:巨人の腰から胸部にかけて懸かる岩島群。
構成:巨人の剥落岩と天使の残骸結晶。
俗認:採血隊の戦域。聖血輸送路。
5. 神穹雲海
位置:浮空陸群と光天界を隔てる層。
特徴:七色流転。触れば綿の如し。飛鳥も越え難し。
俗認:天使の造りし魔術の屏障。穢気の上昇を防ぐ。
6. 採血隊
職責:霊装にて巨人躯を攀じ、銀血を汲み聖血を製す。
組織:教会直轄。隊員の背に贖罪の荊棘紋を刻む。
7. 天使の脊椎
形態:金紋ある三尺の白骨。霊装中核に嵌まる。
俗認:天使の遺骸が化した神力を通ずる媒介。
8. 霊装
構造:天使の脊椎を鉄甲に包み、神経を操縦者に接続。
機能:神穹雲海を突破し得る唯一の人造器械。
9. 名諱消失症
症状:
他者に己の名を忘れられ
鏡像薄れ
存在意義を自疑す
俗称:失魂病
10. 石化病
症状:
皮膚に灰斑浮かび
肢節次第に僵直し
背中に古都の地図状石紋現る
誘因:聖血の長期服用に由る。
11. 聖血
形態:銀稠なる液体に金塵混じり、飲めば喉を灼く。
用途:名諱消失症を遅延せしむる唯一の薬剤。
三大界域:
1.タルタロス(たるたろす)
位置:巨人の足元に広がる荒土。
特徴:風化赤岩の荒野。人類の集落が点在。硫黄泉は生活用水源。
俗認:神が人類に与えた試練の大地。
2. ガイア(がいあ)
位置:巨人の腰部を取り巻く浮遊岩島群。
特徴:巨人の剥落岩に天使残骸が結晶化。島々に発光苔が自生。
俗認:聖血輸送の中継地。採血隊の前線基地。
3. イーデン(いーでん)
位置:雲海の最上層。神穹雲海に守られて在す。
特徴:不可視の光天界。天使のみが住まうと伝わる。
俗認:神の御座が在す永遠の聖域。