第4話「シミュレーション」
あかりについていくと部屋につく。
「ここって…?」
「ここはシミュレーションルーム。シミュレーターで練習できる。私達が走るサーキットは全部走れるようにしてる。」
「すごい…」
「じゃあ、自動車競技の全国大会がある鈴鹿サーキットにしようか」
「はい、わかりました」
「じゃあ、このシミュレーターでやってみようか」
シミュレーターに乗り込む。
「じゃあ、ラップタイムは…」
「2分15秒でお願いします」
「わ、わかった」
「じゃあ、走ってみようか」
モニターに鈴鹿サーキットのピットレーンが映し出される。
ゲーム内の車両が走り出す。
「今更感はあるけれど、車両はうちで使っているのと同じ性能の86。」
「了解です」
86がプロレーサーに操られているように駆け抜けていく。
「…この子、なにかレースやってる…?」
「まぁ、ざっとこんな感じですかね」
「ね、ねぇ、夏空くん、もしかしてレースやってたりする?」
「どうしたんですか?」
「いや、走らせ方がすごいプロレーサーみたいだな、って」
「あ、言ってなかったですね。実は自分、中学の時、レースゲーの全日本大会で1位獲ったんですよ。」
「ってことは日本一!?」
「そうなりますね」
「じゃあ、シミュレーターする必要なかったね」
「いや、いつもやってるゲームとは挙動が違うんで。確認できて良かったです」
「そう…」
「このタイムならドライバー任せてみても大丈夫かな。」
「本当ですか!?」
「うん、これなら十分県予選でも戦える。」
「やった!」
「とりあえず、目指すは次の美浜サーキットである東海タイムアタック選手権の県予選だね」
「そこで僕あの86乗れるってことですか!?」
「うん、楽しみにしといて。」
「はい!」
「じゃあ、明日からはサーキットの攻略法教えてくね」
「お願いします!」