第26話「最終決戦スタート」
長かったインターハイ自動車競技部門も決勝戦。
ここでぶつかることになったのは愛豊高校と、インターハイ前年覇者の鈴桜高校。
ここからは5周のバトルとなる。
まず最初の2周で計測、その後、タイムアタックに特化した特殊コンパウンドのタイヤに交換し、3周を走行。
そして、5周の合算タイムで決着がつく。
『夏空くん、ここから決勝戦だよ。ここで勝てば日本一だよ』
「わかってます。それに日本一、もうすでに一度獲ってるんで。」
『そうね。夏空くんなら大丈夫だよね。信じてる。』
鈴桜高校のNSX GT3と愛豊高校のMC86がコースインしていく。
夏空の前には鈴桜高校のマシン。
「お前を倒して日本一獲ってやる。」
彼の目には闘志が宿っていた。
2台は過去類を見ないほどの接戦を繰り広げていく。
「すごい!鈴桜が去年の最速タイムを更新したぞ!?」
「でも愛豊も負けてない!そのタイムを更新してる!」
観客たちも大盛り上がりだった。
しかし、この時すでに異変は起こり始めていた。
「またギアが引っかかり始めた…でももう交換とかもできないし、このまま行くしか…」
この異常はピットのデータにも伝わっていた。
「夏空くん、ミッションの異常気づいてるよね。」
「おそらく気づいてるだろうね。でも、この後交換することはできないよ?」
「だよね。奇跡を願うしかないか。」
「もう…もう諦めるしかないのか…」
どんどん広がっていくタイム差を見て絶望していた。
『夏空くん、2周走行したからピット戻ってきて』
あかりからの指示に従い、ピットに戻ってきた。
「夏空くん、ミッションおかしい?」
「はい、2速が使えないです」
「完全に使えない?」
「そうっすね」
ミッションのトラブルに頭を抱える愛豊高校のメンバーたち。
一方秋原の方も大変なことになっていた。




