第25話「大敗、そしてまたトラブル」
ベスト4が始まる。
まずは産浜高校対鈴桜高校。
産浜高校はMY2015モデルのGT-R GT3。
対して鈴桜高校は2017年モデルのNSX GT3。
性能で言えば鈴桜高校。
ただ、実力で言えば産浜も負けていない。
しかし、総合力で鈴桜は上回った。
「うそ…産浜が負けた…しかも合算タイムで5秒も引き離された…」
「多分このまま行けば私達も鈴桜高校とぶつかるかもしれない。」
「それは覚悟できてます。」
次は愛豊高校対寿春ヶ丘高校。
新旧86対決。
2台がコースへと向かう。
寿春ヶ丘高校のGR86はスーパーGTのaprが使う30号車と同じエアロが使われている。
対して愛豊高校の86にはスーパーGTの5号車と同じものが使われている。
まずは寿春ヶ丘高校がタイムを記録。
『今、寿春ヶ丘がタイムを出した。これがターゲットタイムになるよ!』
「了解」
ステアリングのモニターにライバルのラップタイムが表示される。
愛豊高校の86が駆け抜けていく。
全体ベストを2区間で連続で記録。
結果は明白。
ファステストラップを記録。
「おかしい…またギアがなんかおかしくなってきた」
夏空はマシンの小さな異常を感じとっていた。
「部長、マシンのデータ、おかしいところないですか?」
『どうしたの?』
「なんか、ギアが引っかかりだした気がして。」
『特におかしいところはないよ!そのまま!』
「わかりました」
結果、前年3位を下し、決勝戦へと駒を進めることになった。
「まずい…2速が使えなくなった。」
ピットに戻る夏空は異変に気づいていた。




