第24話「想定外」
愛豊高校はトーナメントへの進出を確定させた。
そして、ベスト16も容易く突破してみせた。
ベスト8でトラブルは起こる。
『夏空くん、次の周からもう1回計測しよう!今相手が計測中!』
「わかりました」
ベスト16からは2台ずつコースイン。1周ずらして計測する。
そのため、途中で必ず計測していない車両を追い抜く。
そのタイミングは接触のリスクもある。
この時点でタイムは愛豊高校がリードしていた。
『この先、バックストレートで追いつくよ!追い抜き注意してね!』
「了解」
夏空の目の前に低速走行する車両がいた。
その車をイン側から追い抜こうとする。
2台が130Rに進入する。
ゴンッ!!
「!!??しまった!!」
『夏空くん!左リアディフューザーが破損!ダウンフォースが狂って挙動が不安定になるから気をつけて!』
ピットエリアでは百音がなにかしようと動き出していた。
挙動が不安定になった中でも夏空は相手に勝ってみせた。
これでベスト4に進出。
しかし、夏空のマシンはディフューザーが破損してしまった。
ピットに戻ってきた86はパーツを引きずっていた。
夏空はマシンを降りる。
「すみません、僕のミスです」
「いや、仕方ないよ。あれは避けられなかった気がするよ。とりあえず、百音が動いているから大丈夫。」
後ろを見ると百音がベニア板と何かを組み合わせてパーツを作っていた。
「できたぁー!」
百音が叫ぶ。
「このパーツなら最初ついていたディフューザーとおんなじ効果が期待できる!」
百音はそのまま装着する。
「夏空くん!これで最初と同じ効果が期待できるよ!」
「あ、ありがとうございます」
「さぁベスト4の相手は去年の3位、寿春ヶ丘工業高校。産浜は去年の優勝校の鈴桜高校とぶつかるよ。」
「鈴桜…名前からして強そう」
この寿春ヶ丘工業高校を倒せれば愛豊高校は日本一に近づく。
しかし、そう上手くいかないのが愛豊高校。
次なるトラブルは…




